“未曾有の災害”が起きても…投資で重要なのは「決して動転しないこと」【シニアのためのマネー講座】
【シニアのためのマネー講座】#26
「そう、あのときは変な罪悪感っていうか、何か非国民のような感じがして......」
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それは2001年9月、同時多発テロが起こったときのこと。多くの銘柄が一斉に売り気配となり、株価ボードは真っ青に。株が叩き売られた瞬間だ。
「下落するのは分かっていたけど、売るのは何か悪い気がした」
まったく同じことが11年3月11日、東日本大震災でも起こった。グラグラと大きな地震が来たあと、株価はスルスルと下落。その後、大暴落へとつながった。
「原発が爆発?」
前代未聞の出来事に投資家は震え上がった。
「東京が消滅するかも」
そう思った投資家も多かったことだろう。
だが、そのような未曽有の出来事が起こっても、株価はその後に復活。そこが「良い買い場」となった。「災害に売りなし」という相場格言があるように......。
そしてコロナが蔓延した20年も同じこと。
「コロナが世界的に大流行し、多くの死者が出る。経済もボロボロになる」
そういった見方が広がった。株価は急落したが、その後に復活。現在に至っている。
投資家にとって重要なのは、決して動転しないこと。そして冷静に対処することだ。慌ててパソコンの電源を切ったところで、何も始まらない。重要なのは、そういったことが「起こるか起こらないか」ではなく、「起こったときにどうするか」である。
もちろん、投資をやる以上、非国民だとか非情だと言われる筋合いはまったくない。自分の資産を守る行動、儲かる手段をとるべきである。そのためにも、「停電したらどうしよう」とか、「スマホの電波が通じなかったらどうしよう」などと、常に考えておかなければならない。あらゆる事態に対応できるように、日頃から準備しておくことだ。銀行口座は3つに分散。証券会社も3つ。携帯はドコモとソフトバンクの二刀流。株式投資をする人ならば、「オプション」と呼ばれる派生商品の口座を作っておくのもいいだろう。
現在は「来る来る詐欺」みたいになっている南海トラフ地震。しかし、実際に来てみたら「やっぱりな」となるのだ。いよいよ株価が激震に見舞われたとき、「意味のない罪悪感」は決して持たないようにしたい。
(黒岩泰/株式アナリスト)