“見直し論”急浮上…政府・日銀の「共同声明」 当時の日銀元審議委員に聞いてみると

2022年12月25日

12月の金融政策決定会合で、日本銀行はサプライズで事実上の利上げに踏み切りました。2013年に就任した黒田総裁は、アベノミクスの下でデフレ脱却に向けて、異次元の金融緩和を続けてきました。根拠となっているのは、総裁就任直前に政府と日銀の間で取り決めた「共同声明」です。日銀が物価上昇率2%の早期実現を目指すなどと明記された、政府・日銀による異例の連携でしたが、ここへ来て突如見直し論が浮上しています。 【写真を見る】"見直し論"急浮上...政府・日銀の「共同声明」 当時の日銀元審議委員に聞いてみると その背景と今後について、声明が発表された当時日銀の審議委員を務めていた木内登英さん(野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト)に聞きました。 (取材は、事実上の利上げ発表の前日、金融政策決定会合初日の12月19日に行いました)

■黒田総裁の10年は何点?

ーー黒田総裁の10年は何点? 100点中30点ぐらい。経済や物価に与えた影響はほとんど確認できなかった。始めた2013年から10年近く経っていますが、日本が成長する力はどんどん落ちていますし、連動する形で物価上昇率も実はトレンドとしては落ちています。景気を強くしてデフレ脱却、インフレ率を2%に押し上げる目標は達成できなかった。10年経っても達成できないので、この金融政策はそこまでの影響力はないということだと思います。 ーー30点分はどこを評価しているのですか? 2013年4月に政策を導入した前後で行き過ぎた円高が修正されました。超円高で非常に苦しんでいた輸出企業にとっては助けになったことは一つプラスだと思います。 ーーうまく行っていなかった点は? 景気、物価にほとんど影響を与えなかったということ。あまり金利が下がっていないんです。非常に長く、手を変え品を変え色々な政策をやりましたが、効果を上げることはできなかったと確認できた。 あとは我々の生活が良くなって賃金が上がったりとか日本の成長率を上げたりするために、金融政策は直接的には役に立たないと思います。本当に役に立つのは、政府としては成長戦略ですし、企業としては例えば設備投資を積極的にやるということ。働く人には、自分の技能を磨いて労働生産性を上げること。しかし当初、金融政策でデフレから脱却できて我々の生活も良くなるという幻想をみんなが持った。金融政策への期待が強すぎた結果、本当に必要な成長戦略、構造改革などが進まなくなった、進まなくしてしまったところに大きな罪があると思います

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