「はかりきれない衝撃と責任の重さに押し潰されそうになる毎日でありました」 奈良県警・鬼塚本部長が辞職 安倍元総理銃撃事件受け
奈良県警の鬼塚友章本部長が25日午後、記者会見を開き、安倍元総理の銃撃事件の責任を取って辞職を申し出て、これが受理されたと明らかにした。
【映像】警察庁長官が辞意表明 奈良県警の本部長も辞職 安倍元総理銃撃受け"引責"
鬼塚本部長は冒頭、「改めまして、本年7月8日、近鉄大和西大寺駅北側ロータリー付近において、選挙演説中であった安倍元内閣総理大臣が銃撃されお亡くなりになられたことに対しまして、哀悼の誠を捧げますともに、ご遺族をはじめ多くの関係者の方々に対し、衷心よりお悔やみを申し上げます。また、この度の事案により、県民・国民の皆さま方をはじめ、国内外の多くの方々にも多大なるご不安、ご心配をおかけすることとなり、心よりお詫び申し上げます」と述べ、深々とお辞儀。
また、「この度の事案は、奈良市内居住の男41歳が、第26回参議院議員通常選挙の応援演説のため当県を訪れていた警護対象者であった安倍元内閣総理大臣を、手製の拳銃のようなものを発砲し殺害したものであります。当県警として所要の体勢を確立し、警護・警備を実施していた最中に発生したものであり、県下の事案責任を有する警察本部長として、重大かつ深刻な事態を招いたことに対し責任を痛感しているところであります」として、「事態の重大さに鑑み、国家公安委員会および警察庁長官に対して辞職を願い出ましたところ、本日ご承認をいただいたところであります」と説明した。
辞職に至った思いについて問われると、「7月8日の事案発生以来、個人的に敬愛する安倍元内閣総理大臣がお亡くなりなったとの知らせを受けて、私自身、はかりきれない衝撃と責任の重さに押し潰されそうになる毎日でありました。その間、辞職の決断に一切の迷いや逡巡がなかったわけではありませんが、冒頭申し上げたとおり、事態の重大さの鑑み、職を辞して責任を取るべきであると判断するに至ったわけであります」と述べた。
さらに、「逡巡がなかったわけではない」という言葉の意図について説明を求められると、「事案の解明と警護上の問題を確認し、立て直していくことが私の責任であり、県民・国民の皆さまに対する責任であり、多くの関係者の方々、ご遺族の方々、何よりもお亡くなりになられた安倍元内閣総理大臣に対する最大の弔いであり、責任であるとも申し上げました。家族もおりますし、辞職をすることが全てにおいて責任を果たすことになるのかという点についても深く考えましたが、このタイミングを区切りとして、職を辞して責任を取ることが最良の判断であると考えるに至ったわけであります」と答えた。(ABEMA NEWS)