「下水汚泥の利用拡大により肥料の国産化・安定供給を図る」政府方針に注目して損はありませんよ ちょっと驚き!ニューヨーク時間でも為替介入
【うまちゃんの財ザク!】
21日深夜から22日未明にかけ、政府・日銀が円買いドル売りの為替介入に踏み切りました。9月22日の24年ぶりに続く措置ですが、24日も為替介入を行った可能性があります。そして、今回改めて分かったのは、ニューヨーク時間でも介入すること。
1ドル=152円近くまで円安が進んだ21日午後10時前は、ニューヨーク時間21日午前9時前です。深夜に海外市場に向けて実施した大規模介入は投資家の意表を突く形となりました。日本のマーケットが開いている間にするのでは、と予測するアナリストも多かったのですが、そんなことはありません。
瞬間的に円を大量に買ったことで、21日も24日も市場では一時的に円高に進みましたが、すぐに値段を戻しています。アメリカのインフレが落ち着くまでの「時間稼ぎ」の為替介入ですが、政府は現段階では「140円台」での推移が望ましいと考えているのかなと思います。
前回のこのコーナーで、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資の対象11分野の話をしましたが、その中の「肥料原料」について具体的な動きがありました。
政府は17日、下水処理の過程で出る汚泥(おでい)を農業向けの肥料として活用するための官民検討会を開きました。岸田首相が9月に「下水汚泥の利用拡大により肥料の国産化・安定供給を図る」と指示したことを受け、農水省と国交省が設けたものです。
下水汚泥にはリンなど肥料の原料となる成分が豊富に含まれているのに、肥料として使われているのは1割程度。農業で広く使われる化学肥料は原料のほぼすべてを海外に依存。特に中国やロシアに偏在し、ウクライナ情勢もあって調達価格が高騰しています。
農水省によると、高度化成肥料の8月の全国平均価格(20キログラム)は4543円で、前年同月の1・5倍です。こういう話が議論されているのはちょっと気になります。肥料の専門メーカーのほか、化学品メーカー、飼料メーカーなどに注目しておくといいのかなと思います。
■おまけのひと言 「11月8日の中間選挙を前に、バイデン大統領は石油備蓄放出やドル高容認発言をして、国内の物価高対策を最優先課題としています。それが選挙後はどうなるか、気になります」
【財ザク!】「貯蓄から投資へ」と提言する政府。その投資で少しでも財産アップを達成するために「うまちゃん」が有益な情報をザクザクとお届けします。
■馬渕磨理子(まぶち・まりこ) 経済アナリスト。日本金融経済研究所代表理事。愛称・うまちゃん。1984年4月27日生まれ。38歳。滋賀県出身。同志社大学法学部卒、京都大学公共政策大学院修士課程修了。大学時代はミス同志社。『LiveNewsα』(フジテレビ系)など出演番組多数。ユーチューブ『馬渕磨理子の株式チャンネル』も人気。新刊『収入10倍アップ 高速勉強法』(PHP)=写真=がいきなりベストセラー。