「円安に弱い資産」を見直して、「円安に強い資産」を取り入れよう!「現金」や「預金」などに資産が集中している人は「米国株」などの海外資産を組み入れよう!
「円安に弱い資産」「円安に強い資産」とはどんなもの? 円安時代に値上がりしやすい金融商品をチェック! 【詳細画像または表】 ●「現預金」や「国債」「保険」などは円安弱いので要注意! 円安が進行すれば将来の年金や退職金が目減りするリスクあり! 食料品や光熱費の値上げといった形で、円安のデメリットは国民に広く影響する。一方で、円安のメリットを享受できる人は一部だけだ。円安のデメリットを打ち消し、メリットを享受するためには、円安に弱い資産を見直し、円安に強い資産を取り入れることが必要になってくる。 まずは自分の資産の中に、どれくらい「円安に弱い資産」があるかを確認してみよう。 円安に弱い資産の代表例は「円の現金、預金、それに準じる日本国債」「日本の輸入企業や値上げが難しい企業の株」「利率が固定された長期契約の保険」「年金や将来もらう退職金」などだ。 円安では円の価値が低下し、さらにそれが進行すると、インフレになる可能性が高くなる。そうはいっても、円の経済圏で暮らす限り、円をすべて手放すわけにはいかない。ただ、現金やそれに準じる預金や国債は、デフレ時代のように放っておいても価値が高まることはなく、逆にどんどん購買力が低下していくことは認識しておこう。 将来、円でもらう年金や退職金も同様だ。年金も退職金も、円安だからといって増えることはない。長期の固定金利で契約している保険なども、同じリスクを抱えている。 円安では輸入価格が上昇する。そのため輸入関連企業や、原料の高騰した分を価格転嫁できない企業は、業績悪化のリスクが高い。そのような企業の株を持っている場合は、売ることも検討したほうがいいだろう。 ●円安に強い資産は、輸出企業の株や米国株など。 もっとも気軽に保有できるのは海外資産を組み入れた投資信託! 続いて「円安に強い資産」を見ていこう。 円安に強い資産の代表例は「日本の輸出に関連する企業や、海外で事業を展開して外貨の稼ぎが多い企業の株」「海外に投資する投資信託」「米国株や外貨」「純金やコモディティ」などだ。 輸出企業や海外に展開している企業は、円安が業績の追い風となるため、株価が上がりやすい。投資信託なら、日本株を組み入れているものよりは、米国株や全世界株など、海外資産を組み入れているタイプがおすすめだ。 米国株などの海外資産そのものを買うのも手。米国株は主要ネット証券で簡単に買えるようになったので、投資のハードルは高くない。そのほかの海外資産に、外国債券、外貨などがあるが、いずれも円安がシンプルに儲けにつながる。 投資の中級者向けだが、世界中で需要があり、ドルで取引される純金やコモディティ(原油や穀物など)も、円安に強い資産だ。純金なら現物を買う選択肢もあるが、ETFの純金上場信託であれば、株と同じように証券市場で売買でき、現物の保管も不要だ。 さて、ここまで円安に弱い資産と強い資産を見てきた。日本に暮らしていて何も投資をしていない場合だと、必然的に円安に弱い資産だらけになりがち。円安局面はまだまだ続く可能性があるので、資産の一部を円安に強い資産にシフトすることも視野に入れるべきだろう。 円安対策としてのみならず、米国株や海外資産を組み入れた投資信託は、成長性が高く、資産を大きく増やすことも期待できる。まだ投資をしていない場合、これを機に検討してみるとよさそうだ。
ザイ編集部