「岸田1強」へ布石 内閣改造・党人事「安定重視」も透ける「計算」【解説委員室から】

2022年08月13日

岸田文雄首相は10日、内閣改造・自民党役員人事を断行した。党内では「9月上旬」との見方が多数だっただけに、驚きが広がったが、中身は各派に配慮した安定重視の布陣。ただ、個々の人選からは、自身の求心力を高めるための計算も読み取れる。「岸田一強」へ布石を打ったようだ。(時事通信解説委員長 高橋正光) 【図解】第2次岸田改造内閣の顔触れ  ◇お盆前に局面転換  首相は「新しい体制を早くスタートさせたいと考えていた」と説明するが、急いだ判断の一つに、先の参院選で大勝したにもかかわらず、政権への逆風が吹き始めたことがあるのは間違いない。  8日に発表されたNHKの世論調査で、内閣支持率は46%(前回7月比13ポイント減)と政権発足以来最低を記録。読売新聞や共同通信でも、支持を減らした。時事通信が内閣改造前の6~8日に実施した調査でも支持率は44.3%で、前回7月比5.6ポイント減だった。  新型コロナウイルスの感染爆発、安倍晋三元首相の銃撃死をきっかけに次々と判明した自民党議員らと「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)との関係、エネルギーや食料品を中心とする物価高...。これらが、支持率を押し下げた主たる要因とみられる。  8月のお盆休みは、政治や経済の動きが止まることから、大きなニュースが少なくなり、メディアの世界では「ニュースの夏枯れの時期」と言われる。この結果、重要ニュースのフォローや、読者の関心の高い事項を何回も扱うのが通例。当然、新聞やテレビは、コロナの感染と医療現場の逼迫(ひっぱく)状況や、統一教会の問題などを引き続き取り上げることになり、内閣支持率のさらなる低下が予想される。  首相は人事を断行することで、コロナ対策を含めた諸懸案への取り組み強化や、旧統一教会との「決別」をアピールし、支持率の低下に歯止めをかける。このため、お盆前に局面転換を図ったのだろう。  ◇安倍派、非主流派に配慮  今回の人事で首相は、内閣の骨格は維持。鈴木俊一財務相、林芳正外相、松野博一官房長官ら5閣僚を留任させた。その上で、自民党各派に配分された閣僚数を見ると、最大派閥の安倍派4(うち参院1)、茂木派3(同1)、麻生派4、岸田派3、二階派2、無派閥2。改造前と比べ、麻生派が1増で、茂木派が1減となった。  個別のポストに目を向けると、原発再稼働を担う経済産業相に安倍派幹部の西村康稔前経済再生相、経済安全保障法施行へ詰めるべき課題が山積する経済安保相に安倍氏と思想信条の近かった高市早苗前政調会長を、それぞれ起用。亡き安倍氏、安倍派への配慮がにじむ。  また、年末の2023年度予算編成で防衛費の増額が焦点の防衛相には、国防族の実力者である浜田靖一氏が再登板し、コロナ対策に当たる厚労相には加藤勝信前官房長官が3度目の就任。国や地方のデジタル改革を推進するデジタル相には、昨年9月の総裁選で争った河野太郎前広報本部長が起用された。西村、高市両氏を含め、課題の多いポストには、政治経験が豊富な閣僚経験者を充てた。  一方、党役員人事では、岸田政権を中心で支える麻生派会長の麻生太郎副総裁、茂木派会長の茂木敏充幹事長はそろって続投。安倍氏の最側近だった萩生田光一前経産相は政調会長に就いた。また、当選同期で首相の信頼が厚い谷垣グループの遠藤利明氏は選対委員長から総務会長に横すべりし、同氏の後任には、首相と距離を置く非主流派・森山派会長の森山裕前総務会長代行が起用された。二階俊博元幹事長が率いる二階派から引き続き2人を入閣させたことと合わせ、非主流派にも配慮した。

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