「支離滅裂」な岸田政権の総合経済対策、円安を阻止したいのか容認なのか

2022年10月13日
  • 総合経済対策に「重大な欠陥」 最も重要な物価対策は円安阻止  岸田文雄首相は、国会での所信表明演説で、経済再生を目指し10月中に総合経済対策をまとめるとした。その中心は物価高対策で、とりわけ電気料金の抑制だ。 【この記事の画像を見る】  首相は9月29日の記者会見で、「来年春以降に一気に2~3割の値上げとなる可能性もあり、こういった事態を避ける」と述べていた。  すでにガソリン元売り会社に対して補助金を支出して価格を抑えているが、これと同じような仕組み(電力小売会社に補助金を支給して価格上昇を抑える方式)が導入されると思われる。  なお、当初、緊急避難措置として導入したガソリン補助金は、年末まで期限が延長されているが、今回まとまる経済対策では、期限をさらに延ばして、年明け以降も継続することとされるだろう。  だが、政府の総合経済対策には重大な欠陥がある。  何より問題なのは、物価高騰の原因に対処しようとしていないことだ。
  • 輸入物価高騰の半分は円安による 契約通貨ベースでは上昇率鈍化  現在の日本の物価高騰の半分程度は、円安によるものだ。輸入物価指数の対前年比を見ると、それがよく分かる。  図表1に示すように、輸入物価指数の対前年比は、契約通貨ベースでは、2021年10月をピークに上昇率は低下傾向なのに対し、円ベースでは上昇している。  そして、22年以降は、契約通貨ベースの上昇率は円ベースでの上昇率の半分程度の値になっている。  つまり、仮に円安がなかったとすれば、輸入物価上昇率は4割でなく、2割になっているはずだ。  だから、円安の進行を止めることによって、国内物価の上昇率を半分程度に低下させることができるのだ。  これこそが、最も重要で、最も効果的な物価対策だ。 ● 一体、政府はどっちを向いているのか? 円買い介入と「円安生かした活性化」  ガソリン価格抑制のための石油元売り会社への補助金は今年1月に始めて以来、予算が額は3兆1781億円に膨らんだ。  円安を放置したままで、ガソリン価格や電気料金を抑えるために巨額の出費をするのは、愚かな政策だ。  「いや、政府は円安を放置していない。介入をした」と言われるかもしれない。確かに、9月22日に、政府は「断固たる措置をとる」として円買い・ドル売り介入をした。  しかし、その効果は、日本銀行が、現行のイールドカーブコントロール(長短金利操作)のもとでの金利抑制という"不胎化"によって打ち消された。  このため、1ドル=140円台まで円高になった効果は、1日しか継続しなかった。  だが円安が現在の物価高騰の原因の半分を占めている以上、円安をどう評価するかについての政府の見解が、総合経済対策の中ではっきり示される必要がある。
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