「2023年FOMCメンバー」の金融政策スタンス【ストラテジストが解説】

2023年01月13日

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

  • 金融政策を議論し決定するFOMCでは、7名の理事と5名の地区連銀総裁が投票権を保有する。 ●今年投票権を持つ12名のメンバーのうち、理事3名と地区連銀総裁2名は就任からまだ日が浅い。 ●今後、利上げペースなどに関する投票権を持つメンバーの発言、特にタカ派メンバーの発言に注目。

金融政策を議論し決定するFOMCでは、7名の理事と5名の地区連銀総裁が投票権を保有する

米国の連邦準備制度(The Federal Reserve System)は、1913年の連邦準備法によって設立された中央銀行制度です。その最高意思決定機関が、ワシントンにある連邦準備制度理事会(The Board of Governors of the Federal Reserve System)で、一般的にFRB(The Federal Reserve Board)という略称で呼ばれています。FRBは連邦政府の1機関であり、7名の理事(うち議長1名、副議長1名、規制担当副議長1名)で構成されています。 FRBは、その下に12の地区連邦準備銀行(地区連銀)を抱え、業務に関する広範な監督権限を付与されています。なお、金融政策の決定に関する議論は、連邦公開市場委員会(FOMC)で行われ、7名の理事と5名の地区連銀総裁が投票権を持ちます。理事とニューヨーク地区連銀総裁は、常に投票権を持つ常任メンバーですが、4名の地区連銀総裁は、輪番制により1年の任期となります。

今年投票権を持つ12名のメンバーのうち、理事3名と地区連銀総裁2名は就任からまだ日が浅い

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[図表1]FOMCメンバーの金融政策スタンス (注)2023年のFOMCで投票権を持つメンバー。(出所)各種資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

つまり、投票権を持つ5名の地区連銀総裁のうち、ニューヨーク地区連銀総裁を除いて、4名が毎年入れ替わることになります。2022年は、クリーブランド、ボストン、セントルイス、カンザスシティの各地区連銀総裁がメンバーでした。2023年は、シカゴ、フィラデルフィア、ダラス、ミネアポリスの各地区連銀総裁が、新たに投票権を持つメンバーとなります。 2023年のFOMCで投票権を持つメンバーについて、最近の発言などを踏まえ、金融政策のスタンスを、ハト派(景気重視)、中立、タカ派(物価重視)の3つに区分したものが図表1です。なお、12名のうち、理事のバー氏、クック氏、ジェファーソン氏、シカゴ地区連銀総裁のグールズビー氏、ダラス地区連銀総裁のローガン氏の5名は、就任からまだ日が浅く(図表2)、政策スタンスの判断材料は、これから増えてくると思われます。

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