【今年を占う】「黒田サプライズ」の影響は 日銀の金融政策で円安・物価・住宅ローン金利 どうなる?

2023年01月01日

「コミュニケーションとして、これは良くない」 「意図を汲みかねる」 「今更?という感じ」 【画像で見る】黒田サプライズの影響は、どこまで。円安、物価、住宅金利は・・・。 サプライズとは、突然のプレゼントで人を驚き喜ばせることを指すことが多い。 しかし、日銀の黒田総裁が繰り出した「サプライズ」を受け取った市場関係者からは、「喜び」ではなく「不信」や「困惑」の声が上がった。「黒田サプライズ」は2023年の日本経済に何をもたらすのだろうか?

想定外だった「実質的な利上げ」

去年12月20日、私は金融政策決定会合の結果を待つため、日銀にいた。大方の予想は「現状維持」だったため、私を含めた多くの記者の間では特に緊張感もなく、記者クラブは、穏やかな空気が流れていた。 日銀からの連絡を受け、パソコン上で公表文を開き、電話をつないだ本社のデスクとともに、内容を確認した。徐々にクラブの雰囲気が変わってきた。「サプライズだ」。本社は、ニュース速報の準備に入った。フジテレビの画面上に流れた文面はこうだ。 「日銀が大規模な金融緩和を一部修正 長期金利の変動幅プラスマイナス0.5%程度に拡大」。 金融に関してある程度勉強していないと分かりにくいが、平たく言えば「実質的な利上げ」だ。日銀はこれまで、欧米の中央銀行が急激に利上げするなか「大規模緩和」を続け、かたくなに利上げしなかった。 そうしたなか、金利の安い円は売られて円安が急速に進行し、輸入品の価格は上昇。物価高で家計が圧迫されている。 黒田総裁は、去年9月の記者会見で「当面、金利を引き上げるというようなことはないと言ってよい」と断言していた。今年4月には総裁の座を降りることもあり、「黒田総裁の在任中に金融政策の大きな変更はない」との見方が大勢だった。 そのため、市場では、今回の「実質的な利上げ」は大きな驚きをもって受け止められた。発表直後、外国為替市場では急激に円が買われ、一時1ドル=130円台をつけた。去年最も円安が進んだ10月の1ドル=150円の水準に比べると、15%近い円高だ。 一方、景気への悪影響を懸念した株式市場では、日経平均株価が一時800円を超えて下落した。黒田総裁は、会見で「金融緩和の効果がより円滑に波及していくようにする趣旨で、利上げではない」と強調したが、市場では、「従来のスタンスとの矛盾について、市場が納得する明確な説明がなかった」との声が上がるなど市場との間でのコミュニケーション不足が指摘される。 4月に黒田総裁からバトンを受け取る次期総裁にとっては、市場の信頼を取り戻すことも課題の一つと言えるだろう。

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