【政治】 「森友・加計で国民が疑念」「異論を認める自民党の美風を損ね、官僚に圧力をかけた。再配分を軽視し社会の分断を進めた」 安倍元首相について識者に聞く

2022年07月11日

「森友・加計で国民が疑念」「外交では存在感」 安倍元首相について識者に聞く
2022年7月9日 06時00分
 8日死去した安倍晋三元首相は、2012年の第2次政権発足以来、歴代最長となる2822日の連続在職日数を記録した。
第1次政権を含む通算在職日数も歴代最長の3188日だった。識者は「強いリーダーシップで安定的な政治を実現した」と評価する一方、
政治的見解の異なる人を攻撃し、社会に分断をもたらしたとも指摘する。
 東京大先端科学技術研究センターの牧原出教授(政治学)は「右派勢力を結集する力にたけ、
選挙に勝って自民党と官僚をコントロールし、『一強』を実現した政治家だった」と振り返る。
「外交面では環太平洋連携協定(TPP)加盟やトランプ米大統領(当時)と親密な関係を築くなど、
日本の存在感を示した」と評価した。
 牧原氏は、安倍官邸が省庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局などを活用し、官僚へのコントロールを強めたと指摘。
「与党内でも政権に歯向かうと何をされるか分からないという報復的な手法により、政治をゆがませた」と話す。
 安倍氏の妻昭恵氏の関与が疑われた森友学園問題では、財務省の決裁文書改ざんも発生。
牧原氏は、背景として、官僚による安倍氏への「忖度」を指摘。加計学園問題や「桜を見る会」を巡る問題など、
国民が疑念を抱いた問題にもつながっているとみる。
 「安倍一強」と呼ばれる政治状況が続いた結果、「政府内に自浄作用が働きづらくなった」(牧原氏)という。
安倍氏から政権を引き継いだ菅義偉前首相も、日本学術会議の会員候補6人の任命を不透明な経緯で拒否するなど、
十分な説明をしない手法が引き継がれたとみる。
 東京工業大の中島岳志教授(日本政治思想史)は「かつての自民党は異論を認める余地があり、
官僚に圧力をかけたり、野党の主張を無視したりすることに慎重だったが、安倍氏はこうした美風を損ねた」と指摘。
さらに、「1990年代半ばからの社会の右傾化と、新自由主義の波の中核にいて、その方向に率いたのが安倍氏だった。
富の再分配を重視してきた自民党の伝統を転換させ、自己責任論や『小さな政府』を指向し、
結果的に社会の分断が進んだ」と分析した。(大野暢子)
東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/188450

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