【政治】 アベノミクス、3本の矢どうなった? 「道半ば」と語っていた安倍氏 財政の悪化は世界最悪の水準のままだ

2022年07月11日

アベノミクス、3本の矢どうなった? 「道半ば」と語っていた安倍氏
西尾邦明、徳島慎也 若井琢水2022年7月9日 9時00分
 「長引くデフレによって、額に汗して働く人たちの手取りが減っている。
歴史的な円高で、国内で歯を食いしばって頑張っている輸出企業も空洞化している。強い経済を取り戻す」
 2012年12月に再登板した安倍晋三元首相は、経済の低迷から脱するためにデフレや円高に手を打つ必要があると訴えた。
その処方箋(せん)が「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」というアベノミクスの「3本の矢」だった。
 13年1月には政府と日本銀行で「物価上昇率2%」の目標を盛り込んだ共同声明をまとめ、
13年春に金融緩和に積極的な黒田東彦(はるひこ)総裁を起用した。
黒田氏は日銀による国債の大量買い入れやマイナス金利政策を進め、市場に大量のお金を流し続けた。
安倍氏も就任直後の13年2月の経済対策に10兆3千億円の補正予算を組み、その後も毎年のように経済対策を打ち続けた。
 就任時に1ドル=80円台だった円相場は、14年末には120円台に。
輸出企業などを中心に業績が回復し、日経平均株価も政権を奪還した衆院選前の9千円台から2万円を超える水準まで上昇した。
 有効求人倍率や失業率の数字も改善し、安倍氏自身も20年8月に辞任を表明した際、
「20年続いたデフレに3本の矢で挑み、400万人を超える雇用をつくった」と振り返った。
 経済成長の恩恵を幅広く行き渡らせるとし、政権が企業に賃上げを強く求めて労使の交渉に介入する「官製春闘」も主導。
企業業績の改善が賃金や設備投資の増加につながり、個人消費が上向いて、さらに企業が潤う「経済の好循環」を目指した。
 ただ、経済の成長率は目指した「名目3%」にほとんど届かず、企業も将来不安から
内部留保をためこむ動きが強く、賃上げの動きも迫力に欠けた。
3本目の矢である成長戦略で「あらゆる岩盤規制を打ち破る」としていた規制改革もなかなか進まず、
安倍氏自身も「アベノミクスは道半ば」と語ることもあった。
 国の財政を巡っては、14年4月と19年10月に消費税率を2度引き上げ、10%とした。
財務相だった麻生太郎氏が、「消費税を2回上げても(内閣が)倒れなかった」と国民の支持を誇ったこともあった。
しかし、高齢化で増え続ける社会保障費を借金でまかなう構造は変わらず、
安倍氏が退任した直後の20年9月末の国債残高は894兆4094億円で、就任時より約3割増えた。
財政の悪化は世界最悪の水準のままだ。(西尾邦明、徳島慎也)

  • TPP、自由貿易の拡大めざした

 TPP(環太平洋経済連携協定)をはじめとする自由貿易の拡大も、安倍政権の成長戦略の柱の一つだった。安倍氏は首相再登板から約3カ月後の2013年3月に、交渉への参加を表明。海外の安い農産品が流入するとして農業団体が反発するなか、「日本だけが内向きになったら成長の可能性もない。我が国経済では全体としてプラスの効果が見込まれる」と語った。 TPPは世界のGDP(国内総生産)の約4割を占める巨大経済圏をつくる構想で、15年に大筋合意が成立。その後に米国が離脱し、残り11カ国による交渉を日本が主導して18年末に発効し、9割超の品目で関税が段階的に撤廃されることになっている。安倍政権下では、欧州連合(EU)との経済連携協定や、日中韓や東南アジア諸国連合など15カ国による「地域的包括的経済連携(RCEP)」との交渉も進み、主要な貿易相手国の大半と協定を結んだ。(若井琢水)asahi.com https://digital.asahi.com/articles/ASQ786QZSQ78ULFA03T.ht

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