【政治】 参院選結果にアナリストの伊藤惇夫氏「岸田首相の争点隠しが奏功。今後は、岸田カラーをより強く打ち出すのかどうかが焦点だ」
2022年07月12日
「岸田首相の争点隠しが奏功」 伊藤惇夫氏、参院選結果に
第26回参院選(10日投開票)の結果を識者はどう見たのか。
- 政治アナリストの伊藤惇夫さんの話
与党にとっては、国民の意見が対立しそうなテーマを避けた岸田文雄首相の「争点隠し」とも言える姿勢が功を奏した。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、危機の中で安定感を求める意識が国民に生まれたことも追い風になった。投票日2日前に安倍晋三元首相が銃撃され死去したことは、その意識を高めることにつながった。 一方、野党各党を見ると、自民党との距離にかなり差があったためにバラバラになり、1人区を中心に自民が有利になった。岸田氏にとって、これまでは安倍氏が力強い後押しであると同時に「重し」でもあった。重しがとれて衆参選のない「黄金の3年間」を迎える。今後は、岸田カラーをより強く打ち出すのかどうかが焦点だ。安倍氏・菅義偉氏から岸田氏への政権移行は、かつての理念・強権型の岸信介氏からソフトな池田勇人氏への権力継承を想起させる。岸田氏は憲法の議論を急ぐ必要はないと考え、経済中心の政権運営で、国民生活の立て直しに取り組むのではないか。毎日新聞 2022/7/11 08:45(最終更新 7/11 08:45) https://mainichi.jp/articles/20220711/k00/00m/040/058000c