【日本株週間展望】下値固め、米金融政策が重しに-経済再開期待強い
(ブルームバーグ): 9月3週(20ー22日)の日本株は下値を固める展開となる見込み。米国の利上げ長期化による景気や株価への懸念が根強く、積極的に上値は追いづらい。ただ、足元で大幅な株価調整が進んだ直後であるうえ、経済活動再開期待や堅調な国内企業業績から株価の下振れも限定される可能性がある。
20、21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)が有力視される利上げ幅のほか、政策担当者が予想するターミナルレート(引き締めサイクルの最終到達点)の水準、米連邦準備制度理事会(FRB)議長会見などが焦点となる。米国株は消費者物価指数で利上げ長期化懸念を先行して織り込んだ面はあるものの、長期金利の反応次第では変動が大きくなり、日本株にも悪影響を及ぼしかねない。
国内では日本銀行が21、22日に金融政策決定会合を開催する。足元で為替の急激な円安が進む中、ブルームバーグのエコノミスト調査では全員が現状維持を予想。米日金融政策後の為替動向は日本株でも材料視されそう。
一方、国内では水際対策緩和や旅行需要刺激策などが議論され、経済活動の再開期待が強まっている。国内景気の改善期待や円安も後押しする堅調な企業業績も支えとなり、大幅調整後の下値では株価の割安感が意識されそう。2週のTOPIXは週間で1.4%安と反落。
《市場関係者の見方》
アセットマネジメントOneの中野貴比呂ストラテジスト
横ばい圏で推移しそうだ。FOMCは75bpの利上げが予想されているが、会合ではどのようなサプライズがあっても不思議ではない。FRBが現状のタカ派姿勢を維持することは市場予想通りながらも株価にとって良くない環境は続くとして、株価は中立かやや弱い反応となるのではないか。ただ、米日とも株価は大きく下落した後でもあり、週間ベースでは強くなる可能性もある。
楽天投信投資顧問第二運用部の平川康彦部長