【日本株週間展望】小幅高、米物価指標やFOMC通過で買い安心感も
(ブルームバーグ): 12月2週(12ー16日)の日本株は小幅高となる見込み。週央にかけて米消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)のイベントを通過し、買い安心感が広がる可能性がある。ただ、市場の関心は景気に向かい上値は限定的になりそうだ。
市場では、13日に発表される11月の米CPIの伸び率が前月から鈍化すると予想されている。前回10月の米CPIは総合・コアともに市場予想を下回り、米利上げペースの減速を期待した買いが日本市場にも入った。
14日に終了するFOMC会合では、メンバーの政策金利見通し(ドットチャート)に市場の注目が集まる。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は11月30日、ターミナルレート(金利の最終到達点)が4.6%としていた9月時点の予測中央値をやや上回る公算が大きいと話していた。
12月1週のTOPIXは週間で0.4%上昇した。週後半の米国市場でハイテク株を中心に値上がりしたことで、リスク志向が回復した。
12月2週に公表される主要な経済指標は、14日の日銀短観(12月調査)、15日の米ニューヨーク連銀製造業景況指数(12月)、米小売売上高(11月)、16日のS&Pグローバル米製造業・総合・サービス業PMI(12月)など。
《市場関係者の見方》
JPモルガン・アセットマネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト
米CPIやFOMCが市場の想定内で通過すれば、株価は上向くだろう。物価は鈍化基調が前月に確認された。ドットチャートで示される引き上げ幅が5%前後であれば、イベントを通過した安心感から買いが入りやすい。日銀短観で製造業が海外景気悪化で引き続き弱くなれば、投資対象は内需や非製造業を選好することになる印象だ。半面、FOMCを通過後は景気指標に目線が移り、景気不安から上値は重くなりそうだ。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト