〔東京外為〕ドル、139円台後半=実需買いなどに上昇(16日正午)
2022年11月16日
16日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、輸入企業による実需の買いが強まったことなどから、1ドル=139円台後半に上昇した。正午現在は、139円84~84銭と前日(午後5時、139円33~33銭)比51銭のドル高・円安。
前日の海外市場では、米国時間に10月の米卸売物価が市場予想を下回ったことを受けて米利上げペースの鈍化が意識され、139円台前半だったドル円は一時137円70銭台まで急落。しかし、クックFRB理事によるインフレ懸念発言が伝わったこともあり、その後は買い戻しが進み、139円台後半まで値を戻した。
きょうの東京市場は、ポーランドにロシア軍のミサイルが着弾したとの報道を背景に、ドル円が138円70銭台に弱含んだ早朝の流れを受けて138円90銭台でスタート。仲値にかけては輸入企業のドル買い・円売りにじり高で推移し、仲値通過後も時間外取引での米長期金利上昇を眺めてドルを買い戻す動きが強まったことで、正午前には140円近辺まで水準を切り上げた。
ただ、市場には「引き続き、米利上げペースの鈍化が意識されやすい」(大手銀行)との声も聞かれる。「ロシアをめぐる情勢の先行きが不透明で、為替相場も不安定な動きが続く可能性がある」(外為仲介業者)との見方も出ていた。
ユーロは朝方に比べ対円で上昇、対ドルで小高い。正午現在は、1ユーロ=145円11~13銭(前日午後5時、144円99~99銭)、対ドルでは1.0377~0377ドル(同1.0405~0405ドル)。