〔東京外為〕ドル、141円台前半=米利上げ幅縮小観測で戻り弱い(11日午後5時)
11日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、投機筋などの買い戻しが入り1ドル=142円台半ばに持ち直す場面があったが、12月の米連公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅縮小観測が優勢となる中で戻りは弱く、買い一巡後は141円台前半までじりじりと値を下げる展開になった。午後5時現在は、141円19~19銭と前日(午後5時、146円28~29銭)比5円09銭の大幅ドル安・円高。
前日の米国時間では、10月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回ったことを受け、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース鈍化観測が台頭、米長期金利が急低下し、ドル円も146円台前半から140円20銭前後まで急落。足元で下値抵抗になっていた141円を下抜けたことで売りが膨らみ、下げがきつくなった。
東京時間は141円70銭台で取引が始まると、仲値にかけては投機筋や実需の買いが優勢で142円50銭付近に浮上したが、その後上昇は一服。「半日足らずで6円超も下落し痛手を負ったことから、投機マインドが一時的に後退している」(FX業者)と指摘される。週末や11日の米外為市場の休場を控えて午後は調整売りが先行し、じり安で推移。欧州勢が参入する夕方には141円10銭台まで下押した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の著名なFRBウオッチャーが、来月のFOMCでは0.5%幅での利上げとなる公算が大きいとする記事を執筆したことも、ドル円の上値抑制につながったようだ。
一方、米CPIを巡ってはサービス関連の伸びが収まっていないことから、市場では「米国の引き締め長期化は続く」(複数の市場筋)との見方も依然として残っている。
ユーロは午後、対円でもみ合い、対ドルでは上昇。午後5時現在、1ユーロ=144円64~64銭(前日午後5時、146円29~30銭)、対ドルでは1.0243~0243ドル(同1.0000~0001ドル)。