〔東京外為〕ドル、143円台後半=円安けん制警戒で上値重い(8日午後5時)
8日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、実需買いが入って144円台半ばに上昇する場面もあったが、その後は調整売りに押されたほか、円安けん制に対する警戒感の高まりを背景に143円台半ばまで軟化するなど、上値の重い展開が継続した。今夜の欧州中央銀行(ECB)定例理事会やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の討論を控え、様子見ムードも強かった。午後5時現在、143円82~83銭と前日(午後5時、143円90~91銭)比08銭の小幅ドル安・円高。
前日の海外市場では、日米の金利差拡大への思惑が広がって145円付近まで水準を切り上げ、1998年8月以来約24年ぶりのドル高・円安水準をさらに塗り替えた。
きょうの東京市場は144円10銭付近で始まると、実需のドル買いが膨らんで仲値前に144円50銭台まで浮上。しかし、買い一巡後は持ち高調整の売りが優勢となり、143円90銭台まで値下がりした。正午に向けては押し目買いが先行し、144円20銭台に持ち直したが、買いは続かず、午後に入ると再び143円70銭付近まで押し戻された。さらに、午後3時前に「財務省・金融庁・日銀が情報交換会合を開催」と伝わると、円安けん制を警戒したドル売りが広がり、午後3時すぎに143円40銭台まで下押した。その後は、ECB理事会の結果やパウエルFRB議長の発言内容待ちとなって売り買いが交錯し、143円台後半を軸に方向感が定まらなかった。ECB理事会について、市場は「おおかた0.75%の利上げを織り込んでいる」(FX業者)という。一方、パウエル議長は「タカ派的発言を繰り返すのではないか」(国内銀行)との見方が出ていた。
ユーロは対円、対ドルともに上昇。午後5時現在、1ユーロ=143円55~56銭(前日午後5時、142円80~81銭)、対ドルでは0.9981~9982ドル(同0.9923~9923ドル)