〔NY外為〕円急伸、一時147円台(21日午前)
2022年10月22日
【ニューヨーク時事】週末21日の外国為替市場の円相場は、一時約32年ぶりの円安水準となる1ドル=151円台後半に下落した後、短時間で147円台に急伸した。日本政府・日銀による為替介入の可能性も浮上する中、相場が乱高下を演じた。
円相場はこの日の東京市場で150円台前半から半ばに下落。海外時間に入ってから円売りが加速した。急激な円安を受け、市場で政府・日銀による大規模な為替介入への警戒感が一段と強まる中、円相場は一時151円94銭まで下落した後、短時間で147円台半ばに急伸している。午前11時現在は149円85~95銭と、前日午後5時比25銭の円高・ドル安。
鈴木俊一財務相は21日の閣議後記者会見で「急速で一方的な円安進行は望ましくない」と過度な円売りをけん制した。ただ、日銀の黒田東彦総裁は東京都内で開かれた会合で、金融緩和を継続する考えを強調。市場では日米の金融政策の違いに基づく円安圧力が強まる一方、介入への警戒感も高まり、今後も神経質な値動きが続きそうだ。
市場関係者は「介入を意識して円売りのペースは遅くなっているが、円安基調は明確。年内に155円程度まで下落してもおかしくない」(大手邦銀)とし、今後もじりじりと円安が進むと予想した。
円は対ユーロでは同時刻現在、1ユーロ=146円80~90銭と、08銭の円高・ユーロ安。