アジア新興国で外貨準備減少、金融危機以来の低水準-介入余力厳しく
2022年09月12日
(ブルームバーグ): アジア新興国の外貨準備が大きく減少した。ドル高の中で自国通貨を支える余力は限られそうだ。
スタンダードチャータードによると、外貨準備によって輸入代金を何カ月賄えるかを示す輸入カバー率は中国を除くアジア新興国で約7カ月と、2008年の世界金融危機以来の低さとなった。年初には約10カ月、20年8月には16カ月に上っていた。
スタンダードチャータード銀行のASEAN・南アジア為替調査責任者のディブヤ・デベシュ氏(シンガポール在勤)は「中央銀行が自国通貨を買い支える余力は、今後ますます縮小することが示唆される」と述べた。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、国内総生産(GDP)に対する比率で外貨準備が最も大きく減ったのはタイ。次いでマレーシア、インドと続く。また、インドの輸入カバー率は約9カ月、インドネシアは6カ月、マレーシアは4カ月に満たないとスタンダードチャータードは指摘した。
原題:Depleting Reserves Spell Risks for Emerging Asian Currencies(抜粋)
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