アメリカで「株価暴落」のリスクが急上昇…! 金利・物価の上昇が止まらない「ヤバすぎる実態」
株が一気に売られた...!
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足元で、米国株式市場の動向が不安定になっている。 FRB関係者は、「インフレ退治を急がねばならない」との危機感をより鮮明に示した。 【写真】125万人が忘れている「申請しないともらえない年金」をご存知ですか その結果、FRBの金利引き上げペースが早まるとの観測が出ており、米金利は上昇しやすく株が売られた。 9月13日に発表された8月の米消費者物価指数(CPI)は、前月比、前年同月比ともに予想を上回った。 世界全体で供給は不足している。 その状況下、米国では労働市場がタイトであり賃金が上昇している。 企業は価格転嫁を急ぎ、食料をはじめ新車、家賃や光熱費など、広範なモノの価格が上昇、あるいは高止まりしている。 多くの市場参加者が想定する以上のペースで、FRBは金融を引き締めざるを得ないだろう。 それに加えて、各国の政府は財政支出を増やして物価上昇に苦しむ家計などへの支援を強化せざるを得なくなっている。 短期だけでなく、長期、超長期の金利は一段と上昇するだろう。 年末にかけて米国をはじめ世界の株価が急落するリスクは軽視できない。
高止まりする米国のインフレ懸念
8月の米国のCPIは前月比0.1%上昇(予想は0.1%の下落)、前年同月比で8.3%上昇(予想は8.1%の上昇)だった。 原油価格の下落によってガソリン価格は下落した。 その一方で、穀物や乳製品、果物、野菜、砂糖、食用油などの食料や家賃などの価格は依然として上昇基調にある。 そのため、CPIは高止まりしている。 その背景要因として最も深刻なのは、世界全体での供給不足だ。 特に、ウクライナ危機の発生以降、ロシアは欧州各国に対する天然ガスの供給量を減らした。 9月13日時点でロシア国営エネルギー企業ガスプロムはパイプライン"ノルドストリーム1"へのガス供給を停止している。 欧州各国は米国などから天然ガスの調達を何としても増やさなければならない。 世界全体で天然ガスの需給はタイトだ。 米国の天然ガス価格は上昇し、電気料金も高騰した。 電気料金の上昇は多種多様な産業活動のコストを増加させる。 その一方で、米国では労働市場が過熱している。 8月の時間当たり賃金は前年同月比5.2%増加した。 賃金増は企業の価格転嫁を支える。 このようにして米国では賃金インフレが進行している。 FRBは前倒しで、なおかつ大幅な追加利上げを徹底して進め、労働市場の過熱を鎮静化させなければならない。 今後の展開によっては量的引き締め(QT)がさらに加速することも排除できない。 8月の米CPI発表後はそう考える主要投資家が急増し、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)にて1.00ポイントの追加利上げが実施されるとの予想が増えた。 9月13日の米金利市場では短期ゾーンの金利上昇が鮮明化した。