アメリカの「インフレ緩和に期待する楽観相場」はいつまで続くのか

2022年08月19日

アメリカの株式市場にとっては、これまでは高インフレが続くことが経済成長の不透明感以上に、警戒されてきたと言える。  その理由は、高インフレが家計の実質ベースの所得を減らし消費支出を抑制するだけでなく、長引けば、インフレを鎮静化するためにFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の金融引き締めを強化せざるをえなくなり、将来の経済活動を失速させるリスクが高まるためだ。仮に、FRBがインフレ制御に失敗すれば、1970年代から1980年代前半のような「高インフレの常態化+成長停滞時代」が再来しかねない。

■FRBの利上げ効果がようやく出始めた  ただ以下のとおり、FRBのこれまでの大幅な利上げによる、インフレ抑制対応は、遅ればせながらも効果が出てきているとみられる。  2022年に入ってからのFRBの急ピッチな利上げによって、住宅ローン金利が上昇している住宅部門では、販売も着工件数も大きく減少している。さらに住宅部門の調整の余波が、最近の個人消費にも及び始めたとみられ、春先まで堅調だった個人消費は年率+1%ペースに「程よく」ブレーキがかかっている。

 FRBのインフレ抑制対応は後手に回ったと批判されているが、金利上昇を通じた引き締め・抑制効果は、依然過熱状態にある労働市場にも及び始めている。  8月10日に発表された、同国の7月CPI(消費者物価指数)はガソリン価格の低下で全体が横ばいとなり、いわゆるコア指数でも前月比+0.3%と、3月以来の低い伸びになった。  単月のインフレ指標のみで判断するのは早計だし、いわゆる基調インフレ率は高い伸びが続いている。だが、CPIの鈍化は最近の経済活動の減速に伴い、昨年以来続いてきた高インフレが和らぎ始めた兆しとみられる。昨年末からのFRBの引き締め転換で、経済が減速すれば総需要とともにインフレが抑制されるが、この効果が表れ始めたということである。

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