アメリカ株の調整が思ったより長引きそうな理由

2022年09月16日

前回のコラム「アメリカの『夏の楽観相場』はいつまで続くのか」(8月19日配信)では、アメリカ株が反発局面だった中で、株高のピッチが早すぎる可能性を指摘した。 ■期待しすぎていた市場  その後、8月末にかけて株式市場は反落に転じた。この下落要因はいくつかあるだろう。最大の理由は、同国のFRB(連邦準備制度理事会)の早期政策転換を先読みしていた株式市場の過大な期待が、8月下旬のジャクソンホール会合でのジェローム・パウエルFRB議長の発言などを受けて剥落したことだとみられる。

 その後、同国の代表的な株式指標であるS&P500種指数は9月初旬にかけて、4000ポイントを下回るまで調整した。下落後はFRBに関する悪材料がいったんは出尽くしと認識されたのか、アメリカの金利上昇が続く中で、9月7日以降に反発する局面もあった。  だが、12日に8月消費者物価が再び上振れたため、株価は再び大きく反落するなど、不安定な値動きが続いている。  実際のFRBの金融引き締め姿勢は、筆者が従前想定していたよりも強い。ジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演には、利上げ幅を拡大させる直接的な文言はなかった。ただ、短い講演には「異例に大幅な」利上げを緩めずにインフレ鎮静化を最優先させる、という意思が強く込められていたとみられる。

 こうした中で9月FOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)での0.75%の利上げ継続とともに、利上げ到達点が4%近傍まで上昇するとの思惑が、8月後半から債券市場で強まった。  9月7日に、執行部の中でもハト派と言えるラエル・ブレイナード副議長は、利上げによるオーバーキルのリスクに言及するいっぽう、インフレ率の動向を見極めるまで時間を要するとの見解を強調した。さらに、9日に講演したオピニオンリーダーとして存在感を高めているクリストファー・ウォラー理事は、「次回会合に向けてさらなる大幅な利上げを支持する」と発言した。

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