アングル:欧州経済、景気後退リスク高まる ロシアがガス供給再停止

2022年08月31日

フランクフルト/ロンドン 31日 ロイター] - ロシアは31日、ドイツ向けのパイプライン「ノルドストリーム1」を通じた欧州への供給を停止した。ロシアがガス供給を武器に揺さぶり姿勢を強める中、欧州経済の景気後退(リセッション)とエネルギー危機のリスクが高まっている。 ロシア国営ガス会社ガスプロムによると、供給停止は31日0100GMT(日本時間午前10時)から9月3日0100GMT(日本時間午前10時)までとなる。 ノルドストリーム1運営会社のウェブサイトのデータでは、31日0200─0300GMT(日本時間午前11時─午後0時)時点で供給はゼロとなっている。 欧州各国政府は、ロシア政府がエネルギー供給を「戦争の武器」として利用していると非難した。 ガス卸売価格は昨年8月以降400%以上高騰しており、家計や企業に影響を及ぼし、政府は負担軽減のために多額の支出を余儀なくされている。さらに供給が制限されれば、欧州のエネルギー危機は一段と深刻化する。 ロシアはノルドストリーム1を通じた供給を6月に40%に、7月には20%にまで削減した。保守点検と制裁により設備の返却が妨げられているためと主張している。 今回の供給停止についてガスプロムは、コンプレッサーの保守点検を理由に挙げている。 ただ、ロシアはウクライナ侵攻以降、ブルガリア、デンマーク、フィンランド、オランダ、ポーランドへの供給も停止し、他のパイプラインを通じた供給も削減している。 ロイヤル・バンク・オブ・カナダの欧州リサーチ部門のBiraj Borkhataria氏は、ここ数カ月の状況を踏まえると、市場はガスプロムのコメントに耳を貸さず、パイプラインが再稼働しない可能性があると考え始めるかもしれないと指摘する。 ドイツの現在のガス貯蔵率は83.26%で、10月までに85%に引き上げるという目標を達成できる見通し。 コメルツ銀行のアナリストは「ドイツのガス貯蓄水準が上昇し続けていることは奇跡のようなものだ」と指摘。ドイツはこれまでのところ、高価格で十分な量を購入することに成功していると述べた。 ただ、今後企業や家庭が消費を大幅に削減しない限り、11月1 日までに貯蓄率を95%に引き上げるのは難しいとみられる。 欧州連合(EU)全体では貯蓄率は79.94%。暖房需要が本格的に高まる10月1日までに80%に引き上げることを目指している。 欧州では人々がアイロンがけをやめ、オーブンを使うのを制限し、帰宅前に職場でシャワーを浴びるなど、必死で家庭内の省エネに努めている。それでも光熱費の負担は増大する一方だ。 ゴールドマン・サックスのアナリストは、ロシアが供給停止を延長するとは基本的に考えていないと指摘した上で、もしそうなれば、市場は不安定になり、政治的圧力が高まる可能性があると指摘した。 (Christoph Steitz記者、 Nina Chestney記者)

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