インフレと金融引き締め、新興国投資家待望のピーク視野

2022年10月10日

(ブルームバーグ): 2008年の世界的な金融危機後で最悪の混乱に耐えてきた新興国市場の投資家が待ち望んだ瞬間がついに見えてきた。

インフレと金融引き締めのピークだ。インドやブラジルなどの新興国ではこの2年懸念を招いていた消費者物価の伸びが鈍化しており、米国や英国、欧州では先月まで高まり続けていた利上げ観測が今では和らぎつつある。

まだ初期段階で、この2つが頭打ちするトレンドが固まるまでに多くの混乱が生じる可能性はあるが、借り入れコストが来年ピークを迎えるとの見通しは、投資家の新興国資産回帰を後押ししている。

金融引き締めが緩めば、投資家にとって新興国市場の魅力が高まり得る。株式と債券のバリュエーションが先進国と比べ割安な上、実質利回りは高めで、通貨安でキャリー取引が活発となっているためだ。

ウィリアム・ブレア・インベストメント・マネジメントの債券担当マネジャー、ルイス・ジョーンズ氏は「このポイントで選択的にリスク資産を追加する方向に傾斜を強めている。新興国通貨のバリュエーションは非常に魅力的で、特に高利回り通貨国の中央銀行はとても積極的に引き締めを行っており、来年の想定インフレ水準という点で成功している」と指摘した。

新興国市場債の指標はドル建て、現地通貨建てのいずれも10月に入り上昇。1-9月は8カ月で下落だった。新興国株の指標、MSCI新興市場指数は9月に月間ベースで2020年3月以来の大幅安となった後、持ち直しつつある。一方、MSCI新興国通貨指数は19年以後の長期下落から反発している。

こうした回復の背景には、弱い経済指標を受け、米連邦準備制度を含む各中銀がハト派に転じるとの期待が今月初めに高まったことがある。政策担当者がインフレ抑制をあらためて表明したほか、米労働市場が強さを維持していることで、そうした期待は打ち砕かれたものの、少なくとも来年には引き締めが停止される可能性が引き続き下支えとなっている。

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