ウォール街の楽観ムード、ダボス会議で際立つ-確信あるかは疑問

2023年01月20日

(ブルームバーグ): 予想外の金利上昇や2008年以来の大幅な株価下落、企業合併・買収(M&A)案件の枯渇に見舞われた1年が終わり、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に集まった金融機関経営陣のムードは明るかった。

JPモルガン・チェースの資産運用・ウェルスマネジメント部門を率いるメアリー・アードーズ氏やモルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)、シティグループのジェーン・フレーザーCEOは、インフレが弱まり始めたことや中国経済の本格再開を理由に、慎重ながら楽観的な見方を示した。

ダボス会議での予想はその年の経済の行方に対する逆張り指標だと揶揄(やゆ)されることもあるが、ウォール街の楽観は、3年ぶりに恒例の1月開催となったダボス会議に参加した他の企業トップや政治家も共有していた。

アードーズ氏は「10年ほど前からこの会議に参加していて、暗い雰囲気の時も多いが、今回はそうした年よりも明るいムードだ。良い兆候だ」と述べた。

フレーザー氏は銀行と消費者、企業のバランスシートの強さを挙げ、リセッション(景気後退)になっても緩やかだろうとの見方を示した。インフレがピークを付けたという「明白な証拠」があると指摘したゴーマン氏は、中国が世界との関わりを再開しようとしている兆しも歓迎した。

金融機関のトップは昨年の大半において、迫りくる暗雲に警告を発し続けていた。そのため、23年への期待の芽生えはよけいに際立つ。

ただ、インフレはまだ退治されたわけではなく利上げは続き、失業率は徐々に上がりつつある。ロシアが始めたウクライナでの戦争は終わらず、不動産市場が揺らぎ、米国の債務上限の問題も決着していない。

野村ホールディングスのホールセールバンキング責任者、クリストファー・ウィルコックス氏は、ダボス会議の「参加者は世界経済について楽観的であろうと一生懸命だ。上昇の可能性に乗り遅れることを恐れているのだろうが、まだそこにあるリスクを全て無視できると彼らが確信しているとは思われない」と話した。

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