ウクライナ侵攻半年 世界経済、続く我慢比べ インフレは対露制裁の副作用

2022年08月23日

ウクライナ侵攻から24日で半年が経過する中、世界経済は蛮行を止めないロシアとの我慢比べが続く。対露制裁に伴う原材料価格の高騰は急激なインフレを起こし、米国を筆頭に各国中央銀行が物価抑制に向けた政策金利の引き上げ競争に突入。原油や穀物の価格は徐々に落ち着いてきたものの、ロシアの戦費を枯渇させ停戦に持ち込む当初の目的は達成できぬまま、世界的な景気後退(リセッション)の波が近づいている。 米連邦準備制度理事会(FRB)は今後2年以内に、景気後退を招かずに物価高騰を抑制できるか-。 全米企業エコノミスト協会(NABE)が22日公表した調査では、専門家の7割強が否定的な見解を示した。来年1~3月期までにリセッション入りする予想も7割弱に上る。約40年ぶりの物価高を抑えるため、通常(0・25%幅)の3倍速で利上げするFRBが景気を圧殺する懸念が強い。 インフレファイターと化したのは欧州も同様で、英中銀のイングランド銀行や欧州中央銀行(ECB)も2倍速の利上げを断行。FRBの急速な金融引き締めは外国為替市場でドル高を招き、物価高を助長する自国通貨安を回避しようと各国で金融引き締めが進む。 世界的インフレは対露制裁の副作用だ。資源大国ロシアは対抗措置でエネルギーや食料などの供給制限を実施。ニューヨーク原油先物相場は3月に一時1バレル=130ドル超と約13年7カ月ぶりの高値になった。燃油高はガソリンや灯油といった石油製品に加え、船舶など物流費の上昇も招いた。モノやサービスへの価格転嫁が進んだことで、各国政府は物価高騰に怒る国民から突き上げを受けている。 景気悪化による需要減退を見込み、ニューヨーク原油先物相場が侵攻前水準に戻るなど足元のエネルギーや食料価格は下落基調だ。ただ、供給網混乱や新型コロナウイルス禍での行動制限の反動でインフレ圧力は根強い。国際通貨基金(IMF)の見通しでは、2022年の物価上昇率は先進国で6・6%、新興国・途上国で9・5%に達し、混乱収束の兆しはみえない。(田辺裕晶)

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