ジム・ロジャーズ「米ドルは安全な通貨ではない」

2022年08月08日

シンガポール在住、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。引き続き、『世界大異変 現実を直視し、どう行動するか』から世界情勢を解説していきます。日本でもアメリカ株や米ドルへの投資が過熱していますが、同国経済の行方についてジム・ロジャーズ氏にインタビューをしました。 ■紆余曲折があっても、次の覇権国は中国  「私は、アメリカという国はすでに成長の頂点に到達し、今後は横ばい、あるいは衰退の道をたどっていくと考える」

 アメリカは2008年のリーマンショック以降も、12年近くにわたって景気拡大を続けてきました。これはアメリカ史上最長の好景気でした。  さらに、コロナ禍でも同国株は史上最高値を更新してきましたが、その株高を牽引してきたハイテク株の株価を見ても、明らかに割高な水準だったとロジャーズ氏は指摘します。歴史的に考えれば、永遠に続く好況などないことは明確だからです。  「他方、中国はさすがにコロナでブレーキがかかったものの、今後も紆余曲折を経ながらも成長を続けていくだろう。今後、共産党独裁体制が終焉するかもしれないし、場合によっては内戦が勃発するかもしれない。それでも次の覇権国は中国になると見ている」

 アメリカは、覇権にたどりつくまでに、1861年からの南北戦争など、幾度とない危機に見舞われました。それと同じように、中国が覇権を握るまでにはさまざまな問題に直面するだろう、とロジャーズ氏は予測します。  「今日すぐにアメリカ株を売って中国株を買おうという考えは時期尚早だが、中国は覇権にいちばん近い国であり、中国株には目を向けている」  「現在は、確かにドルが世界の基軸通貨だが、いずれは違う通貨になるだろう。現在、多数の国がドルで借金(債券の発行)をしているが、かつての基軸通貨が英ポンドだったように、徐々にドルから次の通貨に移行するに違いない」

■アメリカが英国や日本と同じ道を辿る可能性  ロジャーズ氏は続けます。  「世界に危機が訪れると、投資家はドルが安全資産だと誤解し、ドルを買いたがる。しかし、アメリカは過去最大の借金を背負っており、事実上、安全通貨ではなくなっている。  ただ、多くの人がまだ安全だと思っているので、ドルは上がり、割高となってバブルになる恐れもある。そのときには、私にドルを売るタイミングを見抜ける賢さがあることを願っている」

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