スタグフレーション戦略探るトレーダー、新興国市場に活路見いだす

2022年08月15日

(ブルームバーグ): 米国など先進国の投資家はこの40年で初めて、高インフレとリセッション(景気後退)の両方に同時に通用するポートフォリオ戦略を模索している。

そうしたがどのようなものになるかは誰にも分からないが、確かなのは一部の新興国資産が絡むということだ。

米金融引き締めと消費者物価高騰で、新興国の株式・債券相場は今年に入り下落しており、世界経済が失速すれば一段安となりかねない。しかし、スタグフレーションに対抗する秘策は新興国市場にあり、高成長と緩和的政策、インフレ調整後のリターンがインド株やブラジル通貨、中国債券を含むあらゆる新興国資産に好機をもたらす可能性がある。

ナティクシスのシニアエコノミスト、トリン・グエン氏は「スタグフレーションを背景に、投資家は世界の成長地域を探さざるを得なくなり、特に世界的な需要鈍化の影響を受けにくい新興国市場がその最有力候補だろう。成長を遂げる巨大な国内市場を持ち、世界的なリセッションから守られるだけでなく、その恩恵を受ける国が特に有望だ」と語った。

米国のリセッション入りの確率は2008年の金融危機以来となる50%に上昇。米インフレ率はピークに達した兆しがあるが、少なくとも24年までは連邦準備制度の目標の2%をはるかに上回る水準を維持すると予想されている。英国や欧州では消費者物価がなお上昇しており、エネルギー危機で景気後退の可能性が高まっている。

ある世代のトレーダーにとっては未知の領域だ。1982年以来、成長とインフレのリスクは密接に関係しており、不況期には物価も低下していた。しかし現在はインフレ高進と成長鈍化が同時に起きており、トレーディングの全く新しいパラダイムが求められている。

みずほ銀行の経済・戦略責任者、ビシュヌ・バラサン氏は「新興国市場が世界的なスタグフレーションショックの影響を免れる可能性は低いが、スタグフレーション型のリスクが一部にとどまる限り、新興国市場での好機が先進国市場のリスクヘッジに役立ち得る」と述べた。

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