トランプ邸への家宅捜索は「次期大統領選に出馬させない」という強い意思が働いている
ジャーナリストの須田慎一郎が8月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。トランプ前大統領宅への家宅捜索について解説した。
FBIがトランプ前大統領の自宅を捜索、複数の機密文書を押収
トランプ前米大統領が支持者集会で演説=2022年4月23日 写真提供:産経新聞社
米連邦捜査局(FBI)が8月8日に行ったトランプ前大統領のフロリダ州の自宅「マールアラーゴ」の家宅捜索で、最高機密を含む複数の機密文書を押収していたことがわかった。フロリダ州の連邦地方裁判所が12日に公開した押収品リストから明らかになった。 飯田)前大統領が家宅捜索されたのは驚きました。 須田)前代未聞なのでしょうけれども、ちょうど8月8日に私はワシントンにいたのです。
司法省が一転して動き始めた背景にどのような思惑が働いているのか
須田)記者仲間が集まるカフェで知り合いの記者から話を聞いていたら、ちょうどFBIが捜索に入ったという一報が入って、騒然としました。アメリカ司法省の指示がないと捜索できない状況になっているのです。アメリカの下院でトランプ大統領の違法性について、いろいろと捜査が始まっていましたよね。ただ、司法省はそれとは一線を画していたのです。アメリカの行政のなかにあって司法省は、どちらかと言うと独立した存在です。ニュートラルな立ち位置で政治的な思惑にも左右されず、司法省は国民からの信頼性を得ていました。ところがトランプ政権下において、トランプ元大統領の思惑で司法省がいろいろと動いてしまったために、司法省の権威が下がってしまったのです。 飯田)司法省の権威が。 須田)だから今回、司法省は議会の動きとは一線を画していた。これまではいろいろと「疑惑が出てきたとしても、捜索はしないだろう」と言われていたのです。ところが一転して動き始めたため、局面が大きく変わってきた。「この背景にはどういう思惑が働いているのか」というのが1点目です。
「次期大統領選挙にトランプ元大統領を出馬させない」という意思が働いている ~捜索が進むなかでのトランプ元大統領の出馬宣言の可能性も
須田)2点目として、アメリカの政治のなかには、「次期大統領選挙にトランプ元大統領を出馬させない」という強い意志が働いているのだと思います。11月の中間選挙では民主党が上下院ともに負けるでしょうから、そのあとにトランプ元大統領が出馬宣言をすると予想していたのですが、11月前に前倒ししてくるのではないかという観測も出ています。捜索が進んでいるなかでの出馬宣言という状況になると、アメリカの政治は混乱するでしょうね。