トレーダーの米金利予想が上昇、労働市場が焦点-6日に雇用統計発表
(ブルームバーグ): 米連邦準備制度がどこまで金利を引き上げる必要があるかについての債券トレーダーの予想に5日、新たな上昇圧力がかかった。米労働市場の強さが焦点となる中で、期間が短めの米国債利回りは昨年11月以来の水準に上昇した。
予想を上回る民間雇用者数の増加と予想を下回る新規失業保険申請件数に反応して、フロントエンドを中心に米国債は利回りが上昇した。投資家の関心の的は今や、6日発表の昨年12月の雇用統計だ。
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今後の米連邦公開市場委員会(FOMC)決定のタイミングに合わせたスワップレートは急上昇し、フェデラルファンド(FF)金利のピークは23年半ばに達する5%超との予想を示唆している。現在のFF金利誘導目標は4.25-4.5%で、2月のFOMCの決定については37ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)前後の利上げが想定されている。市場の利上げ幅見通しが25bpと50bpの間で割れていることが分かる。
BNYメロン・ウェルス・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、レオ・グロホウスキー氏は「足元の労働市場は強過ぎて、米金融当局は納得しない。それを一因に、当局は金利を5-5.25%に引き上げ、その水準で据え置く可能性が高い。方向転換はないだろう」と指摘。「短期的には、米当局が引き締めの決意を維持し、景気低迷の兆しが増える中、逆イールドがさらに著しく進む公算が大きい」と話した。
市場は引き続き23年後半に金融当局が利下げを迫られるとの見方を織り込んでいるものの、同時期に予想される金利は5日に10bp余り上昇した。
2年物米国債利回りは同日、約9bp上昇の4.44%で終了した。セントルイス連銀のブラード総裁が金融当局の年末の政策金利予想5.1%はインフレ沈静化に十分に景気抑制的な水準だとの見方を示し、利回り上昇率は取引終盤に幾分縮小した。