ドル・円は将来の利下げを見据える-米金利予測引き上げも重い展開か
2022年12月15日
(ブルームバーグ): 米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過したドル・円相場は、目先の利上げではなく2年後の利下げを見据えた動きになっている。2024年末の政策金利の織り込みとの相関を強めており、米金融当局が政策金利を引き上げ、金利予想も上方修正したが、ドルは対円で上値の重い展開が続くとみられている。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは、足元のドル・円相場について「来年前半の利上げペースというよりも、来年後半から再来年にかけての利下げを織り込んだ24年の政策金利の見込みと相関を強めている」と指摘、「10月21日の151円台がピークだったという見方は変わらない」と述べた。
米SOFR(担保付翌日物調達金利)先物の24年12月限利回りは下落し、3%を下回る水準となっている。
FOMCは14日、0.5ポイントの利上げと同時に、23年末の予想も5.125%に引き上げた。一方で24年末は4.125%へ低下との見通しが示されている。
後藤氏はFOMCについて「金利上昇もしくは米金融当局のタカ派的なコミュニケーションによるドル高インパクトは低減しているというのは再確認された」とした上で、ドル・円は「ちょっと戻ったところでは戻り売りが発生しやすい」とみている。
(c)2022 Bloomberg L.P.
Daisuke Sakai