バイデン米大統領、トラス英首相の当初の経済政策は「間違い」 異例の批判

2022年10月17日

アメリカのジョー・バイデン大統領は15日、イギリスのリズ・トラス首相が撤回した経済政策を「間違いだと思っていた」と述べた。 トラス英首相は14日、法人税引き上げの廃止を撤回すると発表した。トラス氏は保守党党首選の時から、ジョンソン前政権が決めた法人税引き上げについて、撤回すると公約していた。 トラス政権はすでに、大型減税策の目玉だった所得税率45%撤廃案も、撤回している。 バイデン米大統領は15日、訪問先の西部オレゴン州で立ち寄ったアイスクリーム店で記者団の取材に応じた。 その際に、トラス英首相が党首選から公約した減税策などを含む「ミニ・バジェット」(小さな予算)発表後に英経済が混乱するのは「予測可能」だったと述べた。アメリカの大統領がイギリスの政策に踏み込んで発言するのは異例。 ■混乱は「予測可能」、政策は「間違い」 記者団は「トラス首相が手を引かざるを得なかったトリクルダウン(富裕層や大企業が豊かになれば富が国民全体に波及するという考え)計画」についてバイデン氏に質問した。 これにバイデン氏は、「まあ、予測可能なことだ。間違いだと思ったのは私だけではないだろう」と答えた。 さらに、「超富裕層に減税を行うという考え方は、その時は、まあとにかく、その政策には賛成できないと私は思った。ただ、それについての判断は私ではなくイギリスがすることなので」と述べた。 トラス政権の政策の中核をなす経済理論「トリクルダウン」に、バイデン氏は以前から批判的だった。 ただ、アメリカの大統領が、最も近しい同盟国の1つであるイギリスの指導者をこれほど批判するのは異例といえる。 ■「笑い者になっている」 バイデン氏はこれまで、大西洋をまたぐ外交としてはアイルランドやフランス、ドイツとの関係に集中しがちで、英米関係支援のために十分取り組んでいないと批判されてきた。 しかし、イギリスにおける統治方法や政治家による判断に困惑しているのは、バイデン氏だけではない。 ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は、国際通貨基金(IMF)がイギリスの減税政策が物価上昇を助長すると警告したことを念頭に、「IMFとの付き合い方で経験が必要なら、我々が助けよう!」と英紙サンデー・タイムズに語った。ギリシャは財政不安によってIMFの支援を受けていた。 自国の経済的混乱に苦しむ国々の外交官らは、自国の通貨のほうがポンドより強いと冗談を口にしている。 イギリスのある外交官は、「我々は笑い者だ。みんなが『あなたの国で何が起きているの?』と聞いてくる」と、BBCのジェームズ・ランデール外交担当編集委員に語った。 「私が本質的な話をしようとすると、彼らは『事態が落ち着いて計画ができるまで待とう』としか言わない」 英最大野党・労働党のデイヴィッド・ラミー影の外相は、最近の混乱により「イギリス経済が国際的なジョークの落ちになっている」と述べた。 「バイデン大統領は、トリクルダウン経済学の危険性をはらんだ愚かさを認識している」と、ラミー氏は続けた。「彼のコメントは、保守党のせいで我々の評判が落ちていることを裏付けるものだ」。 BBCはイギリスの外務・英連邦・開発省(FCDO)にコメントを求めたが、FCDOは回答を差し控えるとした。 (英語記事 Biden calls Truss's economic policies 'a mistake')

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