バリュー投資で22年に40%のプラスリターン-機を見たショートが奏功
(ブルームバーグ): 厳しかった2022年に「当たり」の取引は少なかったが、チャールズ・レモナイズ氏はその一つを捉えた。
S&P500種株価指数のほぼ全てのセクターが下落したが、バリューワークス(ニューヨーク)最高投資責任者(CIO)である同氏はエネルギーセクターの急上昇をてこに、旗艦ファンドに11月末までで約40%のプラスのリターンをもたらした。かつて高値だったテクノロジー株の幾つかの空売りも組み合わせた。
同氏の運用資産額1億6400万ドル(約217億円)の「バリューワークス・リミテッド・パートナーズ・ファンド」の主要保有銘柄にはコード・エナジーとバラリスが含まれる。これらは今年、新型コロナウイルス禍からの経済の回復とロシアのウクライナ侵攻による原油高を追い風に上昇した。今年に入ってから、高値を付けていたペロトン・インタラクティブなどのテクノロジー株やビヨンド・ミートを空売りした。ペロトン株は今年これまでに74%、ビヨンド・ミートは80%下落している。これらのショートポジションは手じまいしたという。
レモナイズ氏は今週、ブルームバーグのニューヨーク本社でインタビューに応じ、「株を買う時は本当に注意深くする必要がある。ポートフォリオのバランスを十分に取らなければならない。今は個別株のショートを考えるのによい時期だと思う」と語った。「今までで一番空売りを多くしている」とも述べた。空売りする銘柄を増やしたほか、空売りの比率も同氏の30年のキャリアで最大だという。
レモナイズ氏は20年の早い時期から幾つかのエネルギー銘柄を選好してきたが、同セクター内でもテキサス・パシフィック・ランドやオキシデンタル・ペトロリアム、ヘスは空売りしてきた。テキサス・パシフィック・ランドは「法外に高い」と語る。
同氏はショートポジションは時間をかけ一貫して構築してきたという。今回のサイクルで、景気拡大は続いているものの、金融環境は徐々に引き締まってきた。米連邦準備制度の仕事はまだ終わっていないということだ。「近いうちに事態が容易になるとは思わない。金融当局は効果が出るまで流動性引き揚げを続けることになるが、効果は実体経済にはまだ及んでいない。従って、投資家にとって難しい時期になると思う」と話した。