プーチンの次は習近平、米軍トップが鳴らす警鐘の中身

2022年11月15日

 「いま直面しているウクライナ危機というのは、米国が備えるべき最悪の事態ではない」  「ウォーミングアップに過ぎない」  米戦略軍司令官のチャールズ・A・リチャード海軍大将は11月初旬、多くの人の目を開かせるような発言をした。  「ウォーミングアップに過ぎない」の真意はもちろん、米国が将来、主要国と大きな戦争をする可能性があり、それに備えるべきということである。  リチャード大将がこの発言をしたのは米バージニア州アーリントン郡で開かれた海軍潜水艦連盟の2022年年次シンポジウムのことだ。  ウォーミングアップ発言の直後、会場にいた米軍関係者の目をさらに開かせるようなことを述べた。  「大きな(軍事的)危機が迫っている。米国が長い間、試されてこなかったことがテストされる日はそれほど遠い将来ではない」  少しばかり煽るような響きではあるが、これが軍事評論家の発言などではなく、現職の海軍大将の発言であるだけに真剣に受け止めざるを得ない。  特に中国を競争相手国として捉えており、「いくつかの迅速かつ、根本的な変化が必要になる」と述べたことで、会場にいた人たちは危機感の高まりを感じた。  米国が今後、抑止力を強化しなくてはいけない理由を、同大将は「中国に打ち倒される(it is going to be bowled over)かもしれない」という表現を使った。  そしてこうも言った。

 「中国に対する我々の抑止力レベルを評価すると、(米国という)船はゆっくり沈んでいっていると言える」  「ゆっくりではあるが確実に沈んでいる。基本的に中国の方が米国よりも速いペースで戦力を増強している」  米軍関係者の中には中国軍の軍備増強の状況を理解し、同大将が言及することを熟知していた人もいただろう。  だが、この言葉から一般の米国人だけではなく日本人も、将来の安全保障を真剣に考えざるを得ない状況が認識できたはずだ。  「基本的に米国はいま沈んでいると言える。こうした流れが継続されると、米国の作戦計画が優れていても、指揮官が有能であっても、また部隊に力があっても、満足のいく戦力を確保できなくなってしまう。しかもそれは近い将来の話なのだ」  ただここから、海軍大将らしい指摘をする。  対中国という視点でみた時、米軍には依然として優位に立つ分野があるというのだ。それが潜水艦部隊である。  「対潜能力、すなわち潜水艦隊はいまでも唯一といっていい優位性を保っている」  それでもメンテナンス問題などがあり、今後は新規造船を進めていかない限り、戦略的抑止力を維持することは難しいとも述べる。  そこでリチャード大将はある提案をする。  今よりも迅速に物事を前進させるため、1950年代に米軍が採っていた方策を再び実用化すべきだというのだ。

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