ユーロが約20年ぶりに0.99ドル割れ、欧州スタグフレーションを懸念

2022年09月05日

(ブルームバーグ): 外国為替市場ではユーロが対ドルで1ユーロ=0.9900ドルを割り込み、2002年以来の水準に下落している。エネルギー供給危機の深刻化で、ユーロ圏がインフレ高進と景気後退が同時進行するスタグフレーションに陥るとの懸念が高まっていることが背景。

ユーロは対ドルで一時0.7%安の1ユーロ=0.9883ドルまで下落。0.9900ドルを下回るのは2002年12月以来。欧州中央銀行(ECB)は今週の政策委員会で大幅利上げを検討するとみられているが、金融引き締めは域内景気をさらに圧迫しかねず、市場はユーロの先安観を強めている。

ロシアの国営天然ガス企業ガスプロムは2日、欧州向けにガスを供給する主要パイプライン「ノルドストリーム」の稼働を当初の予定通り再開できないと発表。これを受け、ドイツなど欧州主要国は家計支援やエネルギー価格高騰対策を相次ぎ打ち出した。一方、消費者物価の高騰を受けてECBには金融引き締めの圧力がかかっており、8日の政策委員会で0.75ポイントの大幅利上げに踏み切るとの観測が強まっている。

IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、「冬に向けエネルギー供給が意識されるし、インフレが2桁台に上がる可能性が高いため、ECBは利上げせざるを得ないが、供給サイドの問題なので高インフレが抑えられるか分からず、景気の先行きリスクが意識されるのは当然」と指摘。「景況格差としては米国の方がユーロ圏よりまし」だとし、ユーロ・ドルは新たな下値ポイントを探る展開とみている。

(c)2022 Bloomberg L.P.

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