世界の富裕層がやっている投資術「2:3:5の法則」 100万円→2億4000万円になる可能性も
近年は米国株への投資が沸騰していたが、そのお膝元である米国の金融政策転換によって「米国株一辺倒」からの脱却が進んでいる。では、どうすればいいの? 手っ取り早く世界中の富裕層がやっている方法が参考になるのではなかろうか。日本と海外の投資・経済を知り尽くした志村暢彦氏に「富裕層の投資術」を解説してもらった。
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──手持ちの資金が少ないと、どうしてもイチかバチかの投資に目が向きがちです。素人でも長期的にリターンが見込める推奨の投資法は何ですか?
「ハイリスク・ハイリターンを狙う投資で大きな損失を被った場合、株式相場からの撤退を余儀なくされることもあります。かといって、ローリスク・ローリターンの投資ばかりでは、思ったような資産形成ができないというデメリットがあります。そこで私がおすすめしているのが、『ピラミッド型の資産形成プラン』を考えること。リスクとリターンのバランスが異なるポートフォリオを層状に積み上げるのです」
■保守的な投資を5割に「その他」で夢を見る
──それが3段階で積み上げる「資産形成ピラミッド」(図参照)のことですね。「2:3:5の法則」とはどういうことですか?
「推奨する投資の割合は〈保守的な投資5〉〈積極的な投資3〉〈超積極的な投資2〉です。仮に1000万円の余裕資金をグローバル投資するなら、1段目の保守的な投資が500万円、2段目の積極的な投資が300万円、3段目の超積極的な投資が200万円という割合になります。土台となる1段目では『ローリスク・ミドルリターン』の保守的な投資を心がけます。ここではグローバルな優良企業かつ高配当銘柄を軸として、インカムゲイン(配当金)とキャピタルゲイン(値上がり益)で年率10~12%の成長を狙います。もちろん、配当金も値上がり益も、再投資して複利で資産を増やしていきます。2段目は『ミドルリスク・ハイリターン』で積極的な投資を積み上げます。主な投資対象となるのは、高成長を続けており、株価が将来的に10倍(テンバガー)になることも期待できそうな銘柄です。これに短期的に収益を得られる『オプション取引』を組み合わせます。個別株のオプション取引は、現物株としても魅力的な銘柄を対象にしたオプション料、つまり"保険料の取引"です。この2段目で目指すのは年率10~20%の成長。保守的な投資と同じように配当金も値上がり益も再投資して複利で資産を増やしましょう」