世界の通貨リスク指標が警告サイン、中国コロナ騒動や米金融政策懸念
2022年11月29日
(ブルームバーグ): 外国為替市場で投資家のリスク心理を示す重要な指標とされる、オーストラリアドルの対円水準に警告サインが点滅し始めた。中国のゼロコロナ政策を巡る混乱や米金融当局者のタカ派姿勢が背景にある。
豪ドルの対円相場水準は28日、1.6%下落し、今年に入ってからの上昇トレンドと200日移動平均線を下回り、投資心理の悪化につながる一段の下降基調を示した。中国各地でゼロコロナ政策に対する抗議デモが発生したことや、米金融当局者が追加利上げの必要性を強調したことにトレーダーが反応した。
市場のあらゆるリスクに敏感に反応してきた豪ドルと伝統的な安全資産である円を対比した水準は、FXトレーダーが今後の市場リスクを推し量る上で注視している通貨ペアだ。
オーストラリア・コモンウェルス銀行の通貨ストラテジストであるキャロル・コン氏は、中国の「今回の抗議行動で、市場参加者は中国のコロナ政策や経済に対する楽観的な見通しを見直したようだ」とメモで指摘。「世界経済の見通しに対する懸念が強まれば、豪ドル・円はさらに弱くなる可能性がある」との見方を示した。
(c)2022 Bloomberg L.P.
Michael G Wilson, Issei Hazama