世界経済は軟着陸の可能性高い、リセッションよりも-JPモルガン
2022年09月13日
(ブルームバーグ): 世界経済はリセッション(景気後退)に陥るよりもソフトランディング(軟着陸)する可能性が高く、リスク資産への追い風は続く。JPモルガン・チェースのストラテジストがこのように予想した。
マルコ・コラノビッチ、ニコラオス・パニギリツオグル両氏を含むチームは12日のリポートで、インフレおよび賃金圧力の緩和を示す最近のデータのほか、成長回復と消費者信頼感の安定は世界のリセッション回避を示唆していると分析。中国の財政刺激や欧州のエネルギー支援計画、投資家センチメントの低迷から市場は恩恵を受けられると指摘した。
ストラテジストらはリポートで「経済指標と投資家のポジショニングはリスク資産のパフォーマンスにとって中銀当局者の発言よりも重要だ。われわれはリスク志向スタンスを維持している」と説明した。
インフレが少なくとも米国ではピークを付けたのではないかとの期待から、市場にはここ数日、ポジティブなセンチメントが戻っている。
JPモルガンは緩やかなインフレ緩和は循環株と小型株に追い風だとの見方を示し、新興市場株および中国株とともに有望視している。「割高」なディフェンシブ株には否定的で、エネルギー株の押し目買いと商品の「積極的な」オーバーウエートを勧めた。
「インフレ問題は自ずと解決、ゆがみは解消され、米金融当局の0.75ポイント利上げは行き過ぎだったことになると考えている。当局は姿勢を反転させる可能性が高く、シクリカル資産に追い風になるだろう」とリポートで分析した。
原題:JPMorgan Says Soft Landing, Not Recession, Base Case for Markets(抜粋)
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