中国が通貨防衛を強化-予想より元高の中心レートや元安けん制
2022年09月19日
(ブルームバーグ): 中国人民銀行(中央銀行)は19日、人民元の中心レートを1ドル=6.9396元に設定した。ブルームバーグ調査の予想平均は7.0043元だった。元高方向での予想との乖離(かいり)は過去最大となり、当局からは空売りをけん制する発言も相次いでいるが、週明けも元が下げている。
今週は主要中銀の政策決定会合が目白押しで、米金融当局やイングランド銀行(英中銀)によるインフレ抑制に向けた追加利上げが見込まれている。中国の緩和的な金融政策がさらに際立つ見通しで、人民銀は通貨防衛姿勢を強めている。
人民元は先週も下げが続き、本土とオフショア市場で1ドル=7元台を付けた。5年に一度の共産党大会を来月に控え、当局のボラティリティー許容度を試す展開となっている。
国営中央テレビ(CCTV)は人民銀に近い当局者を引用し、短期的に元安をもたらしていた圧力は既に織り込まれ、元相場が今後、基本的に安定推移すると16日報道。「相場が一方向に振れることはない」とし、上下双方向の変動が常態となり、人民銀は投機を抑え込むとした。
中国本土の人民元は19日に0.6%安の1ドル=7.0099元。オフショア市場では0.2%下げている。
原題:China Boosts Defense of Yuan With Stronger Fix, Verbal Warning、China Sets Yuan Fix at Strongest Bias on Record Versus Forecasts(抜粋)
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