中国ヘッジファンド、昨秋の党大会を投資好機と判断し大もうけ
[香港 19日 ロイター] - 中国の習近平総書記が昨年10月の共産党大会で3期目続投を決め、イデオロギー重視と経済軽視の路線が懸念されて中国株が急落した時期以降、逆に中国株を買い増していたヘッジファンドが、大きなリターンを得ていた。消息筋の話やファンド書類で明らかになった。中国の「ゼロコロナ」政策や規制策が昨年末近くごろに急激に方向転換するに至った風向きの変化をいち早く察知していたためという。
MSCI中国株指数は昨年10月に17%も下落。しかし、11月と12月にかけて同指数は36%反発し、株安を買い場とみたヘッジファンドが買い出動したと指摘されていた。
消息筋2人によると実際、アジア最大級のヘッジファンド、グリーンウッズ・アセット・マネジメント(香港)の旗艦ファンド「ゴールデン・チャイナ・ファンド」は11─12月で45%上昇。値下がりしていた消費関連株やハイテク株を11月初め頃に買い入れた。同社の10月の株式投資比率はネットベースで5割未満だったが、11月は8割超に上昇。党大会から得られるメッセージはむしろ経済発展の重視であり、ゼロコロナ政策や不動産業界への規制策も想定されているより早く変更され得ると受け止めたためという。
上海重陽投資管理のWang Qing会長も、中国政府の政策サイクルを理解することは投資の要だと指摘。同氏も党大会の閉幕を経済重視とコロナ政策修正に向けた転換点と受け止めたという。
同氏によると、昨年10─12月期に傘下ファンドを株式強気に転換させ、割安な香港上場株を購入して株投資比率をネットベースで9割超にした。同氏の米ドル建て「ダイナミック・バリューファンド」は11月に21%も上昇し、12月も5%、今年の年初2週間も9%のプラスだ。
消息筋によると、ゴールデン・パイン・アセット・マネジメントも旗艦「ゴールデン・パイン・ファンド」の昨年11─12月のパフォーマンスが23%上昇。不動産株や米預託証券(ADR)の中国株を大きく値下がりする中でも持ち続けたり、むしろ買い増したりしたとし、昨年全体のリターンも正味20%になったという。
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