中国人民銀、4-6月に利下げの可能性も-著名エコノミストが予想
2023年02月09日
(ブルームバーグ): 中国で今後数カ月間に新型コロナウイルス感染拡大の新たな波が発生するリスクや、米金融当局が利上げを終了する可能性から、中国人民銀行(中央銀行)には4-6月(第2四半期)に利下げ余地が広がる可能性もある。中国の著名エコノミスト、鍾正生氏が予想した
平安証券のチーフエコノミストの鍾氏は、人民銀は4-6月に緩和政策に対する制約が少なくなるかもしれないと指摘。国内のインフレ率は低水準にとどまる公算が大きいとも述べた。鍾氏は以前、政府の政策について李克強首相に助言した経験を持つ。
ただ同時に、中国が新型コロナを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を撤廃し、感染拡大が和らぎ始めて以降、経済活動が急回復していることは、短期的にはさらなる金融刺激策の必要性が低いことを意味していると分析した。
その上で同氏は、「向こう3-6カ月以内にコロナ感染が再拡大し、経済に大きな打撃をもたらす場合には、4-6月が中期貸出制度(MLF)金利引き下げの好機となるだろう」とインタビューで語った。
人民銀は今年、景気回復を後押しするため、金融政策を比較的緩和気味に維持することを示唆している。一部のエコノミストは1-3月(第1四半期)にMLFの1年物金利が引き下げられると予想しているが、ブルームバーグの調査では来週の引き下げを見込んでいる人は1人もいなかった。
鍾氏は、金利は今年、絶対に使う必要があるツールというわけではないとして、MLF金利は2.75%で維持されており、追加緩和の余地は既に狭まっていると指摘した。
原題:Top China Economist Sees Possible Interest Rate Cut Next Quarter(抜粋)
(c)2023 Bloomberg L.P.