中国株が急落しても買わない理由

2022年11月17日

10月24日、米国に上場している中国株は、1セッションで数百億ドルの市場価値を失い、約10年ぶりの低水準に落ち込みました。

これは世界金融危機以来、中国株にとって最大の暴落です。

中国株65銘柄で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数は、同日14%以上下落し、2013年以来の安値で引けました。

そして、これが絶好の「買い場」かと言われると、残念ながらそうではありません。

これは買い場ではなく、警告だと考えるべきでしょう。

私はここ数年、個別の中国株を推奨していませんが、過去にはこの国の経済の見通しについて強気な見方をしていたこともあります。

中国は権威主義的な政府であるにもかかわらず、自由市場主義の採用によって、奇跡とも言える経済の発展が起こっていました。結果、何億人もの国民が貧困から中産階級に移行しています。

私はこの国が経済的に自由化されれば、政治的にも自由化されるだろうと期待していたのです。

しかし今、中国はそうなっていません。それどころか逆の方向に動いており、その動きは加速しています。

最近の政治的動向を踏まえると、私は二度と中国株を所有することはないでしょう(少なくとも、習近平主席とその取り巻きが権力を握っている間は...)。

私は百度(バイドゥ)、テンセント、JDドットコム、ペトロチャイナ、アリババでさえも所有していません。そして、もしあなたが賢い投資家でありたいならば、それらを所有すべきではないでしょう。

なぜなら、24日の中国株の暴落は、世界経済や米国市場とは無関係だったからです。実際、その日はほとんどの銘柄が上昇して終わっています。

夜間に中国と香港の市場で始まり、翌朝には米国に上場している中国企業にも広がったこの記録的な売りは、すべて習近平が与党共産党の統制を固めたことが原因です。

習近平は指導者層に自らの取り巻きを集め、慣例にとらわれない3期目の就任を実現させました。

これを受けて、アリババを含む多くの中国株は、新規株式公開以来の水準まで下落したのです。

ここまで下落した理由は簡単で、外国人投資家はここ数年、中国政府から多くの我慢を強いられてきたからです。

中国政府は、新型コロナウイルスの起源について嘘をついて隠蔽してきました。そして国際的な調査を妨害するためにあらゆる手を尽くしたのです。

彼らは入院や死亡を防ぐのに効果的な欧米のワクチンを拒否する一方で、効果のない国産ワクチンを使用し、工場の閉鎖や都市の閉鎖につながってしまうゼロコロナ政策を実施しました。また、国有企業や国営企業に補助金を出す一方で、公営企業や民間企業を差別してきました。

つまり経済成長よりも共産主義的なイデオロギーを優先させたのです。

トウ小平のような歴代の中国指導者は、(模範となる人物ではなかったとしても)少なくともビジネスの広い繁栄に尽力していました。ですが習近平は、その実用主義を放棄してしまいました。

そして、最後の一撃が、習近平の3期目(おそらく終身在任)確定です。

習近平はライバルとなりうる人物を一掃し、その代わり自身に忠実な幹部たちを起用しました。

これによって世界一の経済大国になるための中国の挑戦は終わったも同然でしょう。

国家が支配し、政府の腐敗が蔓延するような指令統制型の経済は、過去に一度もうまくいったことがありません。それは中国に限ったことではなく、他のどの国でもうまくいかなかったのです。

このように考えると、投資家が「売り」に殺到したのは合理的なことでしょう。

しかし世界最大の運用会社であるブラックロックが、中国の株式と債券について「中立」を維持すると発表したことは、あまり合理的とは思えません。

個人投資家にとっての問題、それは巨大な利益相反です。

世界第2位の経済大国である中国は、習近平の息がかかった利益重視の企業にとって大きな可能性を秘めています。

しかし企業は信頼なくしては成り立ちません。

中国株は昨年初めから大きく下落しました。iシェアーズMSCIチャイナETF(Nasdaq: MCHI) は、50%以上も下落しています。今後、数か月の間に、大きな上昇を見せるかもしれませんが、それは短命に終わると私は考えています。

賢明な投資家は中国株を避けるでしょう。

なぜなら、投資の成功とはリスクを賢く管理することだからです。

中国に苦労して稼いだ資金を投資するのは賢いやり方とは思えません。


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