主要国の中でも「最弱」…なぜ、日本円だけが過度に売られてしまうのか?

2022年10月19日


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 ドル円相場が一時、1ドル=149円突破するなど、円安がますます激しくなっている。背景には米国の金利上昇に伴う全世界的なドル高という現象があるが、日本円は他の通貨と比べても下落幅が大きく、主要国では最弱となっている。なぜ日本円だけが激しく売られるのだろうか。 【写真】岸田政権、もうガタガタ...側近はミス連発、総選挙もムリで「万事休す」

日本の場合、ドル高+円安

 今年に入って一気に進んだ円安の背景となっているのは、米国の金利引き上げである。米国は量的緩和策をすでに終了しており、金融正常化に舵を切った。米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は金利を引き上げると同時に、量的緩和策によって取得した大量の国債を売却している。市場からは大量のドルが回収されており、為替市場では全面的にドル高が進んでいる。  日本円に対しても同じ状況であり、基本的にはドル高との解釈が妥当だが、一方で、日本円は他の主要通貨と比較して大幅に値を下げている。円は年初との比較で2割以上下落したが、ユーロは15%程度、市場の混乱が指摘される英ポンドも17%程度に止まっており、日本円は主要国の中で最弱通貨となっている。  全世界的に見ればドル高だが、日本について言えばドル高に加えて、円安という要素が加わっているのは間違いない。では、なぜ日本円だけが突出して売られているのだろうか。  一部の論者は、いわゆる「日本売り」が始まっており、日本経済そのものへの信認低下があると指摘している。そうした面がないとは言えないが、それだけを原因にすることには少々無理がある。日本円だけが突出して売られる最大の要因は、日銀が国債を無制限に買い取る「指値オペ」である。  日銀は現在も大規模な緩和策を継続中であり、市場に大量のマネーを供給している。ドルなど他通貨に比べて日本円の価値は毀損しており、通常であれば円安の進展と同時に、金利にも上昇圧力が加わってくる。ところが日銀は、国債の値崩れを防ぐため、0.25%以上の金利になった場合には無制限に国債を買い取る「指し値オペ」を実施している。  原理的に日銀の資金量は無限大なので、国債の金利は0.25%以上には上がらない状態だが、これは中央銀行の力を利用して、市場の価格形成機能を失わせていることを意味する。つまり現状の日本は、為替、株式、債券という三大市場のうち債券市場がマヒしており、本当の金利がいくらなのか誰にも分からない状態と言って良い。実際、国債市場では複数営業日連続で取引が成立しないという異常事態が何度も起こっている。

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