今後の日銀の政策修正への思惑も

2022年12月20日

 岸田政権が、安定的な経済成長を実現するための政府と日銀の役割を定めた共同声明を初めて改定する方針を固めたことが17日、複数の政府関係者への取材で分かった(17日付共同通信)。

 どのような格好でのアコード修正なのかは定かではないが、この記事では。黒田東彦総裁が目標達成を目指して10年近く進めてきた大規模な金融緩和の修正につながる可能性があるとしている。

 また、16日には下記のようなロイターの記事も出ていた。

「As Kuroda bows out, Bank of Japan's rising hawks eye end to unloved yield cap」

https://www.reuters.com/business/finance/kuroda-bows-out-bank-japans-rising-hawks-eye-end-unloved-yield-cap-2022-12-16/

 16日には債券先物は2銭安であったが、超長期債が大きく売られていた。日銀のイールドカーブコントロールもあり、こういったちくはぐな動きはこれまでにもあった。しかし、この際の超長期債の売りは日銀の政策修正の思惑であった可能性がある。

 さらに19日にの日本経済新聞には下記のような記事が出ていた。

「国債市場に無言の警鐘 発行同日オペ、財政に飛び火も」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB15AXY0V11C22A2000000/

 この記事によると、日銀は4月以降、金利上昇圧力に対抗するため国債を0.25%で無制限に買い入れる「指し値オペ(公開市場操作)」を毎日実施している。このオペで、債券市場の参加者が懸念する事態が12月1日に発生したとある。

 12月1日には10年国債の入札があり、2日に2.8兆円規模の10年国債が発行された。その入札日当日の1日に日銀は、連続指し値オペによって1兆5465億円の10年債カレントを買い入れていたのである。その多くが入札によって発行される368回ともみられる。

 1日の時点で1.5兆円もの10年債カレントを買い入れたとなれば、財政ファイナンスと認識されてもおかしくない。

 これをみても日銀のイールドカーブコントロールはすでに限界に達しており、早期の修正、この場合はロイターの記事にもあったが、レンジの修正とかではなく、撤廃を行う必要性が高まっていると見ざるを得ない。

 19日、20日の日銀金融政策決定会合で、金融政策の修正が行われることは現状、考えづらい。しかし、そのきっかけとなるような動き、例えば反対者が出るなどしてくれば、修正に向けた動きが出てくる予兆ともなりうるかもしれない。やや期待を込めてだが。

記事に関する報告久保田博幸金融アナリスト

© 2009 Dr. straightのヘルスケア&リラクゼーションのブログ。 by https://www.stosakaclinic.com/
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう