介入効果は限定的 円安基調継続、年内155円も 市場関係者
2022年10月24日
24日の外国為替市場で、円相場は1ドル=149円台後半から145円台半ばまで急騰する場面があった。
市場では政府・日銀による為替介入との観測が広がる。ただ、日米の金融政策の違いから「介入は円売りペースを一時的に鈍化させる効果はあるが、円安トレンドは変えられない」(複数の市場関係者)との見方が大勢。年内に155円程度まで円安が進むとみる向きが多い。
みずほ銀行の鈴木健吾氏は「11、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で来年以降の利上げペースの鈍化が言及されれば、米金利の上昇と円相場の下落の流れは落ち着くだろう」と予測。一方、米国の消費者物価指数が高止まりすれば「米利上げ長期化観測を背景に、来年1月以降も円安基調をたどる」との見通しを示す。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏も「米国の利上げ打ち止め感が出るまで円安基調は転換しない」とし、155円までの下落を想定。「利上げ幅縮小観測で円売りペースは和らぐ可能性があるが、金利差拡大は止まらず、トレンドとしての円高は見込めない」と指摘する。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏は「150~152円あたりで警戒感を伴いながら推移し、年内に155円程度まで下落するだろう」とみる。ただ、来春以降も米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ姿勢が強い場合には「160円も視野に入ってくる」と語った。
市場では「政府・日銀は過度な動きに対し介入で対応し、米国の利上げ政策の転換を待つ」(鈴木氏)との見方が多い。今後も日本の通貨当局と米国の利上げ動向をにらみながら、荒い値動きが続きそうだ。