企業の短期資金調達コストは年末にかけ上昇も-過去2年と様変わりか
2022年11月08日
(ブルームバーグ): 調達コストの低減化を狙ってコマーシャルペーパー(CP)を利用する企業は、年末にかけて市場の混乱が強まるに伴い、予想以上のコストを支払うことになるかもしれない。
JPモルガン・チェースの推計によると、短期信用格付けが比較的低いいわゆる「ティア2」発行体は11月2日時点で今年の必要資金の9%しか確保していない。昨年の同時期には12%、2020年は20%だったという。今後数週間にはさらに多くの企業が調達を目指し、CPの買い手は借り入れコスト決定の主導権を握ることになりそうだ。
年末の市場は例年、不安定化する傾向にある。銀行が規制対応目的でバランスシートを補強するために翌日物貸し出しを減らすためだ。ドル調達市場はようやく、銀行のバランスシート上に潤沢な資金があった過去2年に比べ今年末の状況が厳しい可能性を認識し始めている。
テレサ・ホー氏らJPモルガンのストラテジストはリポートで「金融機関以外の発行体は年越しの資金を確保しなければならない。ティア2発行体にとっては特に厳しいようにみられる」と指摘した。
JPモルガンによれば、ティア2発行体は今後、調達コスト拡大に直面する恐れがある。過去10年のデータに基づくと、こうした発行体の1カ月物CP利回りは年末の2カ月に平均で25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇したとストラテジストらは推計する。
原題:Companies to Pay Dearly for Short-Term Funding on Busy Year End(抜粋)
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