先進国最悪の“借金大国”日本…負債1000兆円でも「破綻しない」はウソ?

2022年08月17日
  • 億万長者・孫正義氏の"圧巻"年収...ソフトバンクG成長の秘密とは

先日、ロシアが「デフォルト」に陥ったという報道がなされました。デフォルトとは通常、債券の発行者が利息や償還金の支払いを怠ることをいいます。

今回のロシアにおけるデフォルトは、ロシアに対する経済制裁の一環で、国際決済機関がロシアの利払いを受け付けなかったことで起こりました。ロシアは支払い能力があるとし、デフォルト報道に反発しています。

しかし、ロシア財政はおよそ24年前、本当に危機的な状況に陥りました。いわゆる「ロシア財政危機」です。ロシアに何が起こったのか、その経緯を押さえましょう。

ロシアがデフォルト。ルーブルは変動制へ

ロシア財政危機の背景には「アジア通貨危機」がありました。アジア通貨危機とは、タイを中心に起こった東アジア諸国の急激な通貨の下落をいいます。

東アジア諸国の多くは、自国通貨を米ドルと連動させていました。そのような状況で、アメリカは1995年ごろから「強いドル政策」を実施し、米ドル高が進展します。米ドルと連動している国々の通貨も上昇し、それまで経済成長をけん引した輸出が伸び悩んだことから、経常収支が悪化するようになりました。

これらの影響で、タイなどの国々は米ドルとの連動停止に追い込まれ、通貨が急落します。自国通貨の下落に伴い対外債務が増加したことから、東アジア諸国はIMF(国際通貨基金)に支援を求めました。支援に伴って実施された緊縮政策が景気を冷やし、世界的な不況が訪れます。これがアジア通貨危機の経緯です。

アジア通貨危機はロシアにも影響を与えました。もともと輸出の大半を占めていた天然資源価格の低迷に伴い財政が悪化していたところ、アジア通貨危機に伴う世界的な景気低迷がロシア経済を苦しめます。またアジア通貨危機に伴い、新興国から資金を引き上げる投資家が多かったことも、ロシアにとって逆風でした。

ロシアも自国通貨「ルーブル」を米ドルと連動させていましたが、経済状況の悪化などが反映されルーブルは下落します。IMFがロシアを支援しますが、資本流出とルーブル安に歯止めはかかりませんでした。

そして1998年8月17日、ロシアは対外債務の90日間の支払い停止、および短期国債のデフォルトを発表します。同時に米ドルとの連動を弱め、ルーブルの変動範囲を拡大したことから、ルーブルは大きく下落しました。ロシア経済は原油価格が上昇する2003年ごろまで停滞することになります。

【ロシア財政危機におけるルーブル円の推移】

Investing.comより著者作成拡大画像表示

参考:内閣府 経済社会総合研究所 アジア通貨危機とその伝播

ロシアルーブルはその後、2005年に連動の対象にユーロを含めた通貨バスケット制を採用し、2014年に変動相場制へ移行しました。

ロシアだけじゃない! 国債が破綻した事例

安全性が高いとされている債券の中でも、国債は比較的低リスクの商品です。それだけに、ロシア国債のデフォルトは市場に大きな影響を与えました。

もっとも、国債がデフォルトした例はロシア以外にもあります。例えば2001年にアルゼンチンが、2008年にエクアドルがデフォルトを宣言しました。今年5月にはスリランカがデフォルト状態に入り、同国経済は混迷しています。

新興国の債券は高い金利が設定されることが多く人気ですが、高金利の背景には財政上のリスクがあることを忘れてはいけません。債券の金利は、基本的に破綻可能性が大きいほど高くなることを覚えておきましょう。

© 2009 Dr. straightのヘルスケア&リラクゼーションのブログ。 by https://www.stosakaclinic.com/
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう