内閣支持率相次ぐ低下 改造効果なく 各社世論調査
第2次岸田文雄改造内閣発足直後に行われた報道各社の世論調査で、内閣支持率が改造前より下落するケースが相次いだ。内閣や党執行部の顔ぶれを一新した後に支持率が低下するケースは珍しく、自民党内に波紋が広がる。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民議員との関係や新型コロナウイルス対応などへの不満があるとみられ、人事によって政権浮揚を図ろうとした首相のシナリオに誤算が生じている。 <動画>高さ30メートルの水柱 神社前に突然出現 長万部にごう音響く 各社は改造内閣発足を受けて10、11日に調査を実施。読売新聞は、改造直前の前回調査から6ポイント下落の51%と過去最低で、不支持率も過去最高の34%となった。日経新聞とテレビ東京の合同調査でも、支持率は前回比1ポイント減の57%。共同通信の調査では微増だった。 支持率不振の要因に挙げられるのが、旧統一教会との関係だ。読売調査では、首相が新閣僚らに旧統一教会との関係を点検、見直すように指示したことについて、十分だと「思わない」との回答が55%を占めた。日経調査でも、教団の関係行事への出席などを巡る議員らの説明に「納得していない」が82%に上った。 自民内には「通常は改造後に支持率が上がるのに」(関係者)と失望する声や、「支持率の回復には数カ月かかる」(若手議員)との懸念も出ている。当初は9月上旬とみられていた人事を前倒ししたことを巡り、「内閣改造で安易に国民の関心を引こうとするのは浅ましい」との声もあった。 不安要素はほかにもある。日経調査で政府の対策を「評価する」としたのは、コロナ対応が54%、物価高対策が19%と、岸田政権発足後で最低だった。読売調査でも、コロナ対応への評価は二分した。物価高や感染「第7波」が長期化していることが影響しているとみられ、首相周辺は「第7波のピークは8月初旬とみていたが、なかなか減らない」と焦りを募らせる。