円安のより大きなリスクは日本の輸入業者、投機的な投資家ではない

2022年10月26日

(ブルームバーグ): 日本の当局は下落する円を海外の投機筋から守ろうと介入を繰り返しているとみられるが、円安へのより大きなリスクは日本の輸入業者だ。

天然ガスや原油、食料を輸入に頼る日本は、利回り格差やテクニカルな水準、予想される金融政策にかかわらず、常にドルを必要とする。投機筋が市場から撤退しても貿易の流れが円を圧迫し続ける。流動性低下と高いヘッジコストの中では特にそうだとアナリストは指摘する。

円は今年、日米利回り格差を背景にドルに対して約30年ぶり安値を付けた。円安が輸入代金を押し上げ、日本の貿易赤字は8、9月連続で2兆円を突破。1-9月で14兆円と過去最高に達した。これは経済への重しとなり、さらなる円安につながる展開だ。

ノムラ・インターナショナルの通貨ストラテジスト、ジョーダン・ロチェスター氏は25日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「ドル・円は日本の輸入業者がこの冬に液化天然ガス(LNG)や石炭、石油を購入することにより上昇が続く公算が大きい」とし、「こうした価格は下がりつつあるが、冬になればLNG購入が加速しドル・円を押し上げるだろう」と話した。

鈴木俊一財務相は投機筋に対抗する姿勢を鮮明にし過度の変動を容認しないと述べているが、バンク・オブ・モントリオールの通貨ストラテジー世界責任者、グレッグ・アンダーソン氏は、介入リスクを考慮すれば投機筋はもはや円を押し下げてはいないと指摘。円を下落させている張本人は貿易赤字と大手機関投資家がヘッジ活動を減らしていることだと分析した。

「大規模な投機筋の集団が日本銀行に立ち向かっているようには見えない。むしろ逆で、これらのオフショア投資家は恐ろしくてドル・円の取引に手を出せないでいる。ドル・円市場は流動性が低くなり、あまりにも不安定でリスクが大き過ぎる」と話した。

原題:Vulnerable Yen's Bigger Problem Now Importers Not Speculators(抜粋)

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