円安加速、24年ぶり140円台前半…専門家「米物価高続けば143円まで進む可能性も」
2022年09月02日
1日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は一時、1ドル=140円20銭台まで下落し、約24年ぶりの円安水準を更新した。
2日の東京市場も1ドル=140円台前半で取引されている。前日(午後5時)に比べて80銭程度円安・ドル高の水準だ。米国が利上げの継続姿勢を鮮明にしており、大規模な金融緩和を維持する日本との金利差が拡大するとの観測が強まり、円売り・ドル買いの動きが優勢になっている。
1日に発表された8月の米製造業景況指数が市場予想を上回り、円安が加速した。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ(物価上昇)を抑え込むため、大幅な利上げを続けるとの見方が広がった。
円相場は今年2月までは1ドル=110円台で推移していたが、FRBが利上げを開始した3月以降、円安傾向が進み、7月に一時、139円台まで下落した。米景気の減速懸念から8月上旬に130円台まで戻る場面があったが、8月下旬にFRBのパウエル議長がインフレ抑制に向けた金融引き締めを「やり続けなければならない」と発言し、再び円売りの動きが強まっている。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「米国の物価高が続けば、143円まで円安が進む可能性がある」と指摘する。
鈴木財務相は2日の閣議後の記者会見で、「最近の為替相場の変動はやや大きくなっているという印象を受けている。政府として、高い緊張感を持って注視していきたい」と述べた。